この調査レポートによると、大方の予想通り、頻繁に使われる人気の絵文字は、言語及びその背景にある文化によって、変わってくる、とのこと。
今回、明らかになった主な興味深いポイントは、以下のとおり。
◆カナダ人
今回の調査対象となった国々の中で、最も絵文字を活用する(日本語は含まれてない)。人気の絵文字はアメリカ人にかなり近い。
◆フランス人
ハート型の絵文字(愛の意味)をやたらに使う。その頻度は、他言語の平均値の4倍!! にもなっている。
◆アラビア語スピーカー
お花や植物の絵文字が頻繁に用いられており、その頻度は、他言語の平均値の4倍以上になっている。
◆ロシア人
ロマンティックな絵文字をよく使う。その頻度は、他言語の平均値の3倍。
◆オーストラリア人
お酒好きが多いのか、お酒関連の絵文字を他言語の平均値の2倍使う。また、麻薬の絵文字の使用頻度も、他言語の平均値の65%高い。
◆アメリカ人
ランダムな寄せ集めの絵文字のカテゴリーの中に、人気の絵文字が散在する。例えば、ドクロ、誕生日ケーキ、炎、テクノロジー、同性愛(LGBT)関連、お肉、女性的なキャラクター絵文字(female-oriented emoji)などである。
なお、当該レポート内では、詳しく分析や考察はつけられていないが、アメリカ人が、「ランダムな寄せ集めの絵文字」を頻繁に使う理由は、やっぱり、アメリカという国が、世界各国から多種多様の文化や価値観を持つ様々な人種や民族が集まって作られた移民国家であることと大いに関係があるだろう。
多様な価値観を持つニッチなグループが無数に存在するため、それぞれのグループ内で通用する個性的な絵文字の利用頻度が、他言語の平均値と比べると高くなると推察される。
いずれにしても、やはり、それぞれの言語や文化によって、頻繁に使われる人気の絵文字が変わってくる、という現象は、興味深い。人気の絵文字から、それぞれの言語や文化の持つ特徴をより深く知ることもできるだろう。
ところで、ここでクイズを1つ。逆に、世界で最も頻繁に使われている絵文字とは何でしょう?
答えは、ニコニコ笑顔マーク(英語で言う、smiley、カテゴリーとしては、happy face)。
しかも、その人気ぶりは突出しており、笑顔関連の絵文字をまとめた「happy face」カテゴリーは、全体の44.8%にも達する。
ちなみに、2位は悲しい顔「sad face」カテゴリーで、全体の14.3%。
悲しい顔は、明らかに1位の笑顔の逆の意味、裏返しであり、この1位、2位だけでも計59.1%と6割近くを占めるという事実は、やっぱり、ニコニコ笑顔は、言語や文化の違いを超えて、広く世界中で受け入れられているということだろう。
3位は、フランス人に大人気のハート型の絵文字が12.5%と続く。この上位3位までだけでも計71.6%と7割超だ。
絵文字の世界は、笑顔と愛でできていると言っても良いだろう。
ところで、もう1つ興味深い情報がある。上述の通り、世界で最も頻繁に使われている絵文字、
『ニコニコ笑顔マーク』
は、今回調査されたすべての言語別(英語、スペイン語については国別も含む)のランキングにおいて、ある1つの国を除いて、1位になった。
その唯一の例外となった国は、フランス。フランスでは、『ニコニコ笑顔マーク』よりも、愛を意味するハート型の絵文字の方がもっとも人気がある、という結果になったのだ。
なるほどー。さすがフランス。それだけ、日常的に愛をささやく機会が多いってことなのだろう。
〔ご参考〕
●Most-used emoji revealed: Americans love skulls, Brazilians love cats,
the French love hearts
●These Are Each Country’s Favorite Emojis
『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』 Vol.137より一部抜粋
【Vol.137の目次】
1.ニューヨーク最新トレンドや見所の特集
~第137回:当然、重要なものほど意識されにくい~
2.多様性のもたらすもの
~世界は、笑顔と愛でできている?!~
3. ブログ作りの舞台裏
~ニコニコ超会議2015から世界へ?!~
4. Q&Aコーナー
著者/りばてぃ
ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。
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