【上司力】部下の心をつかむのは「会話」ではなく、「対話」

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ここで、よくあるのが、語らうのであれば「飲みの席で」という方も多いのですが、飲んでストレス解消!で終わり、というパターンが少なくありません。それは、一時の快楽であり、仕事と向き合うとは、ズレているから、建設的ではありません

とはいえ、いきなり「さぁ!語ろう!」と言っても、難しいと感じることもあるでしょう。

手始めとして、朝の朝礼時や定期的なミーティングでも構いませんので、飲食を抜きにして、まずは、その場を作ることです。

基本は、会社のルール、基準に則り意見を、交わすことですが、会社によっては、基本マニュアルや行動規則、業務規則などのルールがあるでしょう。

それらを題材にして、ニーズや地域、時代に対応できているか、個々にルールに則り業務を行っているかなどを話し合ったり、個々が日々の業務での成功体験や失敗体験を発表し、そこから対話にしていくこともありです。互いの発表の中で、共有し認め合うことが重要となります。

ただ、注意していただきたいことは「会話」ではなく、あくまでも「対話」をすることです。これらは似ているようで全くその性質は違います

「会話」とは、普段の生活において、言葉を通して、お互い気持ちを交わしたり、何かしら用を足したりするための話のやりとりのことです。朝起きて「おはよう」と声をかけたり、ご飯を食べるときに「いただきます」と言うのも会話の一種です。

しかし「対話」は違います。

対話とは単なる言葉のやりとりではありません。時には対立も含んだ上で言葉のやりとりをして、何かを生み出すとか何かに繋げる行為を指します。つまり、建設的な話し合いです。

対話する上での重要な点は、自分とは異なる話を聞くということです。

職場とは自分と異なる存在の集まです。ですから、「語らう場」を設けて対話を始める際には、「大人的な対話の場にする」ということを、あらかじめ共通ルールとして認識しておくことが極めて重要です。

なぜなら、幼稚な態度で発言を茶化したり、ただ仕方なくその場にいるだけとか、常に相手を非難したり難癖をつける様な態度でいると、建設的でなくなるからです。対話出来る環境ではないのです。

対話をするのだから自分の考えや意見に責任をもちましょうよ。お互いに責任をもって話すのだから、真剣に聞きましょうという事です。

こうしたグランドルールがあって、はじめて真の対話が可能になります。

>>次ページ お互いの話を真剣に聞かなければ「対話」ではない

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