日本で「株は危険なもの」という意識が根付いてしまったのはなぜか?

2016.03.24
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by kousei_saho
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ニュースなどで景気の指標のように用いられる株価ですが、どこか他人事のように感じてしまったり、「株は危ない」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』では、個人がそのように感じるようになってしまったのは、「経済学の不備」に加え、「株価の上下と人生のサイクルが合わないこと」に原因があると指摘しています。

「株は危険なもの」の意識が根付いてしまったのはなぜなのか?

明治以来の日本は急激な成長を遂げてきたので、郵便貯金の利息も多かったので、株価が1万倍郵便貯金なら330倍でしたが、それでも30倍の開きがあります。物価の平均的な変化は株価に類似しているので、郵便貯金のような高利息の貯金をしていても、持っているお金の価値は30分の1に減ってしまう(お金が腐る)ということになっています。まして、現在のように1%以下の金利のもとではさらにダメになるという感じです。

まずは130年間という長い期間で整理をすると「株さえ持っていれば良い」ということになりますが、現実にはそうではありません。なぜ「全体としては株を持っていれば生活は安定するのに、個人の人生を考えると、株は危険なのか?」を知らなければならないのですが、今までそういう話はされていません。この原因は、このシリーズでたびたび指摘しているように、

  1. 経済学が国の発展とか、株価の全体の変化に注目して、個人への影響を軽く見ているから
  2. 株を買うのは個人ではなく、個人株主は特別なものと思っているから
  3. 経済学の中に個人の人生の設計が入っていないから

などがあるからです。

でも、株というのは、会社などが広く社会から資金を集めて仕事をするためのものですから、まさに「健全な社会なら、個人が株を買ってそれを資産にして幸福な人生を送ることができるのが最高であることは間違いありません。

株の目的が、ある事業をするのに広く社会からお金を調達することですから、株の発行元は「お金を投資してくれた人の幸福を願っている」はずですし、投資した人も、「所得が増え、財産が安定する」のが目的ですから、双方の願いは一致しているはずなのに、「株で資産を無くしてしまった」とか、「株は危険なもの」と言われるのはなぜでしょうか?

それは、「株価の上下のサイクル人生のお金を使うサイクルが合わないことに原因しています。つまり、ここで計算したように明治の最初に株を2円で買っておけば、それが現在では2万円になっているのですし、1年間の平均の利回りは7%近くあるのですから、すべての財産を株にして時々株を売るのが最も良いのです。銀行の定期預金でも利率は0.1%以下なのですから、株がいかに優れているかはハッキリ分かります。

でもダメなのです。その理由をこれも科学的にデータに基づいて次回に整理したいと思います。

image by: Gil C / Shutterstock.com

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武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋

著者/武田邦彦
東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
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