市民ランナー専門のプロコーチが教える「走ってはいけない人」

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未だとどまるところを知らないランニングブームですが、正確かつ体系的な知識を持って、走っていらっしゃる方って、意外と少ないのではないでしょうか。そこで今回は、人気の無料メルマガ『ランニング&健康・ウォーク「BEST RUN!」』にて絶賛連載中の記事「いまさら聞けないランニングの基本」の一部をご紹介。これからランニングを始めたいと思っている方はもちろん、初心者ランナーから質問されることの多い上級者の方も、コレを読んで頭の中の“ランニング知識”をしっかり整理しておきましょう!

誰でも走れる?走っていい??

ランニングは誰でも出来る! マラソンだって完走出来るようになる!! って威勢のいい話はたくさんありますが、本当の本当にそうなのでしょうか

まあ、非常に多くの方にはそれが当てはまるのは確かかと思います。しかし、一部の方はそうではありません。走れない? 走ってはいけない?? 走らない方がよい???

体力や走力が低く「あまり走れない」のとも違って、「走ってはいけない」「走らない方がよい」というのは、もっとシビアな話になります。

端的にいうと、肥満の人と心疾患を持っている人とがこれに当たります。もちろんケガや病気で、走る以前に日常生活も大変な場合は最初から除きます。走ろうと思えば走れそうだけど、待った!!がかかる人たちの一群があるってことです。

肥満、あるいはその予備軍~いわゆるメタボの人たちが、痩せようと思って走ろうとする。この構図はありとして、そもそもがメタボなんだから、いきなりは走れない・走らない方がいい・走ってはいけない!!場合もあります。

なんでもかんでも無条件に走ることを100%肯定してはいけませんね。走って痩せるというのにも、順序があります。これはまた、機会をあらためて詳しく解説しますが、メタボ対策としてのランニングは、その最初の取り組みとして、ウォーキングと食餌療法から始めます。さあ!といっていきなり走り始めるわけではありません。絶対に!!

心疾患を持っている人は、走ってはいけない!とかいうのは、当たり前のようですが、ここは実は奥の深いところです。

そもそもホノルルマラソンは、心臓病の予防を謳ったランニング指導から広く知られるようになったという経緯もあります。そういう意味では、心疾患があっても、きちんと正しい取り組みをすれば、むしろプラスになることもあるのがランニングです。ただし、素人がテキトウにやってもダメです。もっともっと医学的なものですので~。

それよりももっと問題なのは、自分が心疾患を持っているとは知らずにランニングを始めたり、レースに出て過剰に頑張っちゃうことです。ランニング中にお亡くなりになる方の大半がこれですね。決してマラトンの闘いの兵士のように、頑張り過ぎて、精根尽き果てるまで走り抜いて死ぬ……なんてことがあるわけではありません。

心疾患も、初期や軽度のものなら日常生活を送る分にはその兆候がほとんど見られない場合も少なくありません。が、心拍数が上昇するような運動をすると、けっこう危ないことも……。

メタボの人は、心疾患を患っている確率も非常に高いので、事故率も赤丸急上昇しちゃうってことがあります。

そんなんでこんなんで、あまり軽い気持ちで「誰でも走れるよ! 絶対大丈夫だよ!!」なんてことは安易に言わない方が良いですね。あまりに慎重になり過ぎることもないんですけど。

文/鈴木彰(NPO法人あっとランナー代表理事 e-Athletesヘッドコーチ)

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