知り合いがストーカー被害…どうすれば警察は動いてくれるのか?

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身近な法律トラブルをわかりやすく解説してくれる、人気のメルマガ『知らなきゃ損する面白法律講座』。今回ご紹介するのは、彼氏がストーカー被害に遭っているというご相談。さて、現役弁護士による、気になる回答は?

彼氏がストーカー被害に…何か良い解決法は?

□相談□
私の彼は40代のミュージシャンで、50代女性のストーカー被害に遭っています。女性は毎日のようにメールを送りつけ、今まで購入したCDやDVDの代金を支払わないと、被害届や告訴状を出すと言っています。警察に相談しても埒があかず、逆に彼を逮捕するようなことを言われました。彼に落ち度は全く無く、精神的にもかなり参っています。何か良い解決法は無いものでしょうか?(40代:女性)

□回答□
ストーカー行為等の規制等に関する法律(以下ストーカー規制法)では、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で」「つきまとい等(メールの送信も含まれます)」が行われていた場合、ストーカー行為となり、処罰の対象となります。

ご相談内容からは詳細はわかりかねますが、上記のような目的で毎日メールを送信されているような状況であれば、50代女性がなさっている行為はストーカー行為として処罰対象となる可能性はあります(ストーカー規制法2条5号)。

にもかかわらず、警察機関に相談をしてもないがしろにされているというのがお困りの点だろうと拝察します。

これまで述べたように、ご相談いただいたケースではストーカー規制法における処罰も考えられる状況ですが、ストーカー行為に関する罪は「親告罪」であることに注意が必要です(ストーカー規制法13条2項)。ストーカー行為に対する警告を求める申出(同法4条)やストーカー行為の禁止命令を求める申出(同法5条)については、誰が行うことができるのか、法令上明確ではありませんが、こちらについても、立法趣旨、経緯から被害者本人だけが行うことができると考えられます。

ご相談内容から拝察すると、警察への相談は交際相手であるご相談者様からなされているのではないかと思われます。まずは、交際相手を諭して警察へ真摯に相談されるように促してみてはいかがでしょうか?

通常であれば警察が被害を確認すると、ストーカー行為を行う人物に対して警告や禁止命令(被害者に近づいてはならないとする内容など)などを出すという対応がなされます。

万が一、警察が相談に応じない場合の対応策としては、メールの受信画面などをコピーしたり、写真に撮る等して証拠を収集する。その際、メールの頻度がわかるように(受信回数が多いほど、ストーカー行為としての性質は強まります)、日時なども記録しておく。それらをまとめた上で、警察へご相談されることがよいのではないかと考えます。

それでも警察機関の対応が無い場合は、例えば各地域に設けられている法テラスの窓口などを頼ってみるのもひとつの方法ではないかと考えられます。(参照:法テラス犯罪被害者支援)ストーカー行為は犯罪行為であり、刑事事件の手続きについての説明や、犯罪被害者支援制度に明るい弁護士などの紹介を受けることも可能です。

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