5月19日の奄美地方を皮切りに、6月3日には近畿地方も梅雨入りし、本格的な雨の季節に突入した日本列島。太陽が恋しく憂鬱な気分になってしまう方も多いかと思いますが、この時期だからこそ味わえる日本の風情を満喫してはいかがでしょうか。ということで今回はアジサイを巡る旅に皆さんをご案内します。
アジサイを巡る旅
雨の季節の日本の風情・アジサイを巡る旅、最初にご紹介するのは、長崎県長崎市の旧グラバー住宅。つい先日、世界遺産に登録勧告された「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の構成資産のひとつです。
幕末期に貿易商として財を成し、坂本龍馬ら志士たちを強力にバックアップしたトーマス・グラバー。その邸宅は現在「グラバー園」として一般に公開されており、日本のみならずアジアからも多くの観光客が訪れます。西洋住宅を瑞々しく彩る日本原産のアジサイ、究極の和洋折衷、と言ったところでしょうか。
長崎市内には旧グラバー住宅のほかにも、眼鏡橋やシーボルト記念館など、アジサイの見所にあふれています。現在、6月14日(日)までの予定で「ながさき紫陽花まつり」が開かれていますので、この機会に色とりどりの「おたくさ(長崎ではアジサイをこう呼びます)を鑑賞してみてはいかがでしょうか。
続いては、山口県防府市の阿弥陀寺。文治3(1187)年に建立された由緒ある寺院です。
「西のアジサイ寺」を目指し、昭和50年ごろから有志の手により境内に植えられたアジサイも今では80種、約4000株を数えるまでに至り、毎年行われる「阿弥陀寺アジサイ祭」期間中はたくさんの人で賑わいを見せます。今年の開催期間は6月30日(火)まで。21日の日曜日には花供養やお茶の接待、地元の新鮮な農産物なども販売されるイベントがあるとのことですので、旅の候補の1つに、是非。
西のアジサイ寺をご紹介したからには東のアジサイ寺も、ということで、日本でいちばん有名なアジサイの名所といっても過言ではない、神奈川県は鎌倉市の明月院を最後にご案内。臨済宗建長寺派の、こちらも由緒正しいお寺様です。
参道から本堂まで続く約2500株ものアジサイの花が鮮やかに開く様は、どこか別世界に迷い込んだような錯覚すら感じてしまうほど。シーズン中はかなりの混雑が見込まれるので、早い時間にどうぞ。
万葉集にも詠まれるなど、古来から日本人の心をとらえ続けてきたアジサイ。そんな花を愛でる旅に、あなたも出かけてみませんか?
<オススメ旅情報>
●ながさき紫陽花まつり
長崎県観光連盟によるページ。アジサイが「おたくさ」と呼ばれるようになった由来も。
●周防 阿弥陀寺
阿弥陀寺アジサイ保存会が運営。21日のイベント情報はこちらでどうぞ。
●ドッキリカレー かん太くん
鎌倉野菜農家直営のカレーハウス。オリジナルTシャツも販売中。
⇒写真で見る日本全国の原風景が楽しめる『旅まぐ』のご登録はこちら(無料)
≪購読無料!登録はこちらから≫