毛包(follicle)には、過酸化水素(hydrogen peroxide)という物質があります。カタラーゼという過酸化水素を分解する酵素を体内で作っているのですが、これが年をとるとその量が減ることにより、分解されなくなった過酸化水素が悪さをします。
過酸化水素は、活性酸素の一種です。活性酸素は、体内のサビと表現されることもありますね。体内には残しておきたくないし、ましてや頭皮にそれが残っていては困ります。過酸化水素の増加による毛根へのダメージははかり知れず、抜け毛の原因になりかねません。
また過酸化水素は、メラニンとメラノサイトの産生をもたらす酵素を破壊してしまいます。つまり、髪の毛を黒く色づけする絵の具が体内で作られなくなるため、白髪が生えるようになるのです。
いやっ、ちょっとまって? メラニンやメラノサイトって皮膚にできるシミをつくるアイツらでしょ? と思われた方、正解です。ただ、紫外線にあたらない限り、皮膚に悪さをすることはありません。
髪の毛と玉ねぎの関係の話に戻りましょう。実は、玉ねぎにはカタラーゼが含まれています。だから、玉ねぎのスライスを眉毛に塗ったり玉ねぎをすりおろしたものを頭皮に塗ることによって、加齢により減ったはずのカタラーゼを補うことができ、結果として毛包や頭皮の健康を保つことができるというのです。
とはいっても、効果あるの? と疑われるのも無理はありません。そこで、実際に実験された方がいらっしゃいます。
このページの下のほうに、2週間ご自身の頭皮で実験したビフォーアフターと、それから実験のために作ったオニオンジュースの作り方が載っているので、参考になさってください。
肌の弱い方には薦められないですし、効果も人によると思います。どなたか勇気のあるかたは試してみてください。その際は、わたくしにも実験結果をお知らせくださればありがたいです。
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ベジタブル&フルーツアドバイザーであり、薬膳に関する資格も取得に向け勉強中という筆者が、世界の食材や食習慣を「栄養」「中医学」「英語」という3つの面から紹介する、一石三鳥のメルマガ。
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