日本の仮想敵は「中国」に絞れ。大英帝国に学ぶ、負けない外交戦略

 

現代日本への教訓

1.敵は、「一国」に絞る

1890年、イギリスの周りは敵だらけでした。フランス、ロシア、ドイツ。しかし、イギリスは、「ドイツこそが最大の敵だ!」と決めた。今、日本の周りも敵だらけです。

  • 北方領土を返さないロシア
  • 核兵器を持ち、ミサイルを日本海にぶっ放す北朝鮮
  • 世界で狂ったように「反日プロパガンダ」をつづける韓国
  • 「日本には沖縄の領有権がない!」と宣言している中国

日本も賢いイギリスのように、「どの国が真の脅威なのか?」見極めなければなりません。そう考えると、これはもちろん、「反日統一共同戦線」戦略をもち、沖縄を狙う中国だ、となるでしょう。

反日統一共同戦線を呼びかける中国

2.その他の敵と和解する

「ドイツこそ最大の敵」と決めたイギリス。次に行ったことは、「その他の敵」との和解でした。具体的には、フランス、ロシアと和解した。これを日本にあてはめると、日本はロシア韓国と和解するべきだ」となるでしょう。

日本、アメリカの仲介で韓国と和解しました。しかし、ロシアとの関係は悪化し続けています。もし安倍総理に「大戦略観」があるのなら、「仲良くしましょう!」と言ったその直後、「ところで、いつ北方領土返してくれますか?」とは言わないでしょう。

賢いイギリス人であれば、「北方4島のことは、棚上げにしましょう。ところで、ロシアは『制裁』『原油安』『ルーブル安』で経済が大変みたいですね。制裁解除はアメリカとの関係があるので難しいですが、石油・ガス輸入を増やすことはできますよ。その他、お手伝いできることがあれば言ってください。出来る限りサポートします」などと言うことでしょう。

3.大国との同盟強化

ドイツを敵と定めたイギリス。フランス、ロシアと和解した。さらに、日本と同盟を結んだ。アメリカとの仲をますます良くしていった。これを今の日本に当てはめるなら、アメリカとの関係を、あり得ないほど良好にするべきです。

日本が集団的自衛権行使を容認することで日米安保は、「片務から双務に近づいた。そしたらどうです? 中国は、すっかり攻撃的ではなくなりました。これは、安倍総理の功績です。

ところが、ここでも「大戦略観」はあるのかな? と疑問に思うことがあります。毎回同じ話で恐縮ですが、2015年4月、「希望の同盟演説」で日米関係を劇的に好転させた。その翌月、3,000人の訪中団を送り、日米関係をぶち壊した。こういう行動を見ると、「行き当たりばったりなのではないか?」と疑念が出てきます。

賢いイギリスは、「何があってもアメリカとの関係は良好に保つ」と決意していました。日本も今、同じ決意をすべきです。もちろん、中国を挑発したり、意図的に関係を悪化させるべきではありません。しかし、アメリカとの関係は最重要視するべきです。さらに、将来必ず中国に匹敵する大国になるインドとの関係も一貫して深めていきましょう

イギリスの賢い大戦略、外交の結果、ドイツには、冴えない同盟国しか残りませんでした。日本がアメリカ、インド、ロシア、オーストラリア、東南アジア諸国などを味方につけていけば、中国の味方は反抗的な北朝鮮ぐらいしか残らないでしょう。しかし、そうなるかどうかは日本にかかっています。経済力でも軍事力でも、すでに日本を上回ってる中国。

日本は、

  • 大戦略をもつこと
  • 一貫した外交で、「味方を増やしていく」こと

これによって、中国との戦争を回避することができるでしょう。(「中国と戦うためにすべてを犠牲にしても核武装する!」などと総理が決意すれば、逆に世界を敵に回して日本は破滅するでしょう。大戦略のほうが、軍事戦略より上なのです)。

 

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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