ネットで「爆買い」されるメイド・イン・ジャパンの弱点

shutterstock_410473096
 

世界中でこれだけ「品質が良い」と認識され、「高くても欲しい」という外国人も相当数存在する日本製品。しかし、無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』ではその世界にモノを売るネット通販の分野において「日本は完全に乗り遅れている」とした上で、今後の見通しについて詳しく分析しています。

東南アジアで急伸するネット通販 ─日本は完全に出遅れ─

中国人訪日客の「爆買い」をきっかけに、日本商品の中国通販サイトのビジネスも急速に伸びている。日本に来た中国人買い物客が日本の品物の品質、安全性、価格などを知って、帰国した後も通販を通じて日本商品を買う人が急増しているのだ。来日して日本商品の良さを確かめているので、わざわざ来日しなくとも通販で日本商品を取り寄せる人々が増大、日本側も通販で中国に品物を提供する企業や商品を届ける配送会社が忙しくなっているという。

日本商品を中国にインターネット販売する電子商取引の人気商品は、日用品や食品、化粧品、子供服、かつら、サプリメントなどで、マツモトキヨシは中国のアリババ集団の通販サイトに出品している。昨年9月から約100種類を売り出したが、現在は300種類に増やし、順調に伸びているという。ライオンは、今年からアリババのサイトで健康食品の販売を始め、食べ方などのレシピや問い合わせにも応じており人気上昇中だ。

ヤマトと配送システム構築へ

中国で通販サイトを扱っているのは、トップのアリババだけでなく、第2位の通販市場で2割のシェアを占める京東も、最近になって日本商品専用サイトを設け始めた。「世界で最も信頼感がある日本商品への要望は強く、今後も需要拡大は間違いない」と通販事業担当者は述べている。京東は、ヤマトホールディングスと組み日本の中小企業の商品もサイトに載せ、ヤマトに配送してもらう仕組みまで作り始めている。

中国では中間層が増え、来日観光客が増大。日本で買い物をし、満足した人が中国に戻ってから今度は通販サイトで購入するという循環ができ始めている。これなら、日本で爆買いし大きな荷物を持って帰らなくてもすむし、日本に行った時は通販で売ってないものを探せば、より買い物が楽しくなるという。

2018年には1兆4,000億円規模

2015年の訪日中国人の買い物、消費は8,000億円を超えたとされるが、中国国内の電子商取引の販売額もほぼ同額で、今後はさらに増大が見込まれ、2018年には1兆4,000億円に達すると予測されている。このため、アリババや京東集団は日本企業の通販サイトへの出店に協力しているほか、まだ知られていない日本の中小企業の広告を交流サイトで無料発信し、日本の新商品を探しているという。

中国のサイトに注目しているのは、商品を売る企業だけではない。アジア配送に力を入れ始めているヤマトや日本通運日本郵便などの配送事業者がコンビニと組んで海外配送にどんどん乗り出しているようだ。

print
いま読まれてます

  • ネットで「爆買い」されるメイド・イン・ジャパンの弱点
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け