「バッティングが嫌いだった」伝説のホームランバッター・中村紀洋が今だから語る裏話

2016.06.03
by まぐまぐ編集部
nakamura copy
 

野球好きならば、その名前を知らない人はいないだろう。2000本安打、400本塁打、ゴールデングラブ賞7回(三塁手)と、輝かしい成績を残してきた中村紀洋さん。

数多くの名勝負を繰り広げてきた中村さんは、現在、後進を育てるべく、指導者としての道を歩み始めている。小学校高学年および中学生の少年少女を対象にした野球教室「N’s Method(エヌズ・メソッド)」を兵庫県西宮市に開校し、高校・大学に在学中の野球選手を指導できる学生野球資格回復の適性認定にも合格した。

そして、5月には中村さんは、新たに有料メルマガ「中村紀洋の野球マガジン」を創刊した。(なお、N’s Methodのトップトレーナー陣によるメルマガ「N’s Methodトレーニングマガジン」も現在好評配信中。)今回は、メルマガを初めたいきさつや、指導者としてどんな指導を心がけているのかなど、野球指導者・中村紀洋として話を聞いた。

本塁打王を1度、打点王を2度獲得しながらも、実はバッティングは“嫌い”だった

photo01

──「N’s Method(エヌズ・メソッド)」を開校されたと伺っておりますが、具体的にはどういったことを教えているのでしょうか。

中村紀洋さん(以下・中村):体幹トレーニングなど、私がプロの世界で行ってきたトレーニングを、将来プロ野球選手を目指す子どもたちを中心に教えています。

じつは私は、体のバランスを意識したトレーニングはしてきたんですが、マシンを使ったウェイトトレーニングはプロの時もやらなかったんです。ウェイトをしなくても、プロで野球をやってこられたんですよ。当時はまだ体幹トレーニングという言葉も知らずにやっていましたが、今考えるとあれは体幹トレーニングだったんです。そういったプロ野球生活で身につけてきた「生きた知識」を、一般の人にも丁寧に教え、アドバイスしています。

──豪快なホームランを打っていた中村選手が、ウェイトトレーニングをしてこなかったのはちょっと意外ですね。

中村:バッティングや守備などの技術を磨くことに力を入れてやってきたので、ウェイトトレーニングをする余力がなかったんです。周囲からはウェイトもやれと言われてたんですが、その時間は休憩に充てていました(笑)。守備やバッティング練習があったので、力を温存しておかないといけなかったんです。大事なのは打つか守るかの練習だと思っていたので。

ただ、ウェイトトレーニングをしないかわりに、自室でもできることを探した結果、バランスボードの上に乗るといった、何気ないこと、今で言う体幹トレーニングをずっと続けていました。

──技術を追求し、体幹を鍛えた結果が、あのバッティングにつながっていたんですね。

中村:バッティングというよりは守備ですかね。ホントはバッティングは嫌いだったんですよ。報道されるのはバッティングばかりでしたが、守備がずっと好きで、練習していたんですよ。あまり表には出てこなかったですけどね。

──豪快なホームランの印象が強い中村紀洋さんがバッティング嫌いだったとは驚きです。

中村:バッティングは難しいんですよ。相手がいることなので。でも、守備は練習すればするほどうまくなります。守備にはスランプがないのですが、バッティングにはスランプがあって練習すればするほどうまくなるものでもないので。

print
いま読まれてます

  • 「バッティングが嫌いだった」伝説のホームランバッター・中村紀洋が今だから語る裏話
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け