アメリカで巻き起こった「アイスコーヒー」ブーム。どういうこと?

2016.06.09
shutterstock_289454174
 

桜の季節もあっという間に終わり、良い気候が続く5月。東京でもしばしば夏日を記録し、暑い季節が近づいてきています。こんな時に飲みたくなるのが、氷の音もカラカラと耳に心地よい、アイスコーヒー。最近はサードウェーブコーヒー店も次々に進出し、日本におけるコーヒー消費量増加に拍車をかけていますが、実は今、アメリカではアイスコーヒーがブームなんだそう。日本では明治時代からも飲まれていたというアイスコーヒーは、現代でもすっかりカフェメニューの定番となりましたが、そのアイスコーヒーが「ブーム」とは、一体どういうことなんでしょうか?

米国大手コーヒーメーカーが続々と展開するアイスコーヒー戦略

日本でコーヒーというと、自動販売機で手軽に買える缶コーヒーや、レコードが流れる昔ながらの「喫茶店」がかつての定番でした。

しかし、今ではすっかりお馴染みとなったスターバックスやタリーズなどの大型コーヒーチェーン店や近年の欧米におけるサードウェーブコーヒーブームの煽りを受け、日本のコーヒー事情も変化しています。

2015年、都内にオープンしたblue bottle coffeeや、ニューヨーク・ブルックリン生まれのGORILLA COFFEEは、今でも連日大行列、大盛況で、お昼時の席の確保は平日でも至難の業となっています。

そんなコーヒーブームの震源地ともいうべきアメリカで今、巻き起こっているのが、「アイスコーヒーブーム」。

何だか今更?という気もしますが、スタバなどの大手コーヒーメーカーから新進気鋭のカフェに至るまで、現在新しいアイスコーヒー商品を次々に開発中とか。

実はアメリカ人は大のホットコーヒー好き

冷たい飲み物としては、アイスティーやエナジードリンクなどがシェアの大半を占めており、アイスコーヒーの消費量は全世界のわずか10%

アメリカ国内では国民の20%のみがアイスコーヒーを好み83%はホットコーヒーを飲んでいるとのこと

確かに、カフェでは各々ホットコーヒーにミルクやシュガーを入れて、自分好みの「オリジナルコーヒー」をカスタマイズしている姿をよく目にします。

それが近年、アイスコーヒーのシェアが急増しているのです。

2009年には、そのオーダー数がコーヒーメニューの19%を占め、2013年の初めまでには24%まで上昇しました

特に18歳から24歳の若者の間でその消費量が急増。

38%の若者がアイスコーヒーを好んで飲むという、世界平均をはるかに上回るシェア率を達成したのです。

何がきっけかでこのアイスコーヒーブームが到来したのかは定かではありませんが、冷たい飲み物や砂糖たっぷりのソーダで育った多くの若者たちが、大人になってから飲み始めたコーヒーに対しても同様の役割を求めているのだと分析する専門家もいます。

また同時に、消費者の間では甘味ゼロのエスプレッソやラテといった、コーヒーそのものの味を堪能する飲料への需要も増え、より本格的な味わいを求める声も高まっています。

 

Nikkiさん(@nmauc11)が投稿した写真

その証拠に、アメリカでは冬場でもアイスコーヒーの注文数が増えており、スターバックスではアイスコーヒーの新メニュー発売によって、2015年四半期のアイスコーヒーの売り上げが全世界的に20%増、「より良質、より低カロリーで低糖」な、アイスコーヒーやラテを取り扱いたいというWal-Martやコストコといった大型ストアも次々に名乗りを上げています。

print
いま読まれてます

  • アメリカで巻き起こった「アイスコーヒー」ブーム。どういうこと?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け