中国は、日米印を挑発する
「なぜ、中国の軍艦は、日本の領海に入ったのだろう?」。この質問に、産経新聞は、こう答えています。
防衛省幹部は中国の狙いについて「10日から同海域で行っている日米印共同訓練『マラバール』に参加しているインド艦艇2隻を追尾した可能性もある」との見方を示している。
(同上)
そうなんです。日本、アメリカ、インドは6月10日から、共同訓練を実施していたのですね。この訓練は、もともとアメリカとインドが行ってきた。しかし、去年から日本も参加することになり、日米印の安保面での連携が、強固になってきた。もちろん、「対中国」です。この訓練がらみで、中国は、インドに対しひどい「挑発」をしています。
中国軍がインド北部に侵入 領有権主張、日米との連携強化に反発か
産経新聞6月15日(水)19時18分配信【ニューデリー=岩田智雄】インドと中国が領有権を争い、インドの実効支配下にある印北部アルナチャルプラデシュ州に今月9日、中国人民解放軍が侵入していたことが分かった。印国防省当局者が15日、産経新聞に明らかにした。
中国は、インドが日米両国と安全保障で連携を強めていることに反発し、軍事的圧力をかけた可能性がある。
中国兵約250人は、州西部の東カメン地区に侵入し、約3時間滞在した。
さらに中国は、アメリカ軍も挑発しています。ニュースウィーク日本版、6月16日から。
中国艦、領海侵入した日に日米印の共同軍事訓練で米空母を追尾
2016年6月16日(木)10時25分中国の軍艦が日本領海に侵入した15日、沖縄本島の東方沖で行われている日、米、インドの共同軍事演習「マラバール」にも中国艦の影がちらついた。
3カ国は対潜水艦戦などの訓練など通じ、海洋進出を強める中国をけん制しようとしているが、中国は情報収集艦を派遣して米空母を追尾した。
挑発で、中国の孤立は進む
このように、日米印を挑発している中国。その結果は、どうなのでしょうか?
これ、別に専門家や研究者じゃなくてもわかります。日本、アメリカ、インドは、中国をさらに警戒するようになるでしょう。そして、日本、アメリカ、インドの関係は、ますます強固になる。中国は、ますます孤立していきます。特に、インドを日米の方に追いやってしまうのは、中国にとって大きな失敗です。
インドは、伝統的に「自立外交」を貫いてきました。日本、アメリカ、ロシアと良好な関係を保ち、領土問題のある中国とも和解の道を模索していた。しかし、今回の事件で、インドは日米をより重視せざるを得なくなるでしょう。