中国戦艦が日本の領海を横切る挑発。なぜここまで追い込まれたのか?

 

何が起こっているのか?

最後に、これまでの大きな流れを振りかえってみましょう。

08年、アメリカ発「100年に1度の大不況」が起こる。09年、アメリカは沈み、中国は浮上した。中国は以後、凶暴化していく。10年、尖閣中国漁船衝突事件。中国は全世界で、「尖閣はわが国固有の領土であり、『核心的利益』である!」と宣言する。2012年9月、日本政府、尖閣を「国有化」。日中関係が、戦後最悪に。12年11月、中国、「反日統一共同戦線」戦略を、ロシア、韓国に提案。「沖縄を奪う意志」を明確に示す。証拠はこちら。

反日統一共同戦線を呼びかける中国

2015年3月、「AIIB事件アメリカは、「中国打倒」に動き出す。2015年9月、習近平訪米するも冷遇され、全世界が米中関係の悪化に気づく。

そして2016年。もはや誰も、「中国は、世界経済のけん引役だ」とはいわない。逆にソロスは、「ハードランディングは不可避」と宣言している。中国経済の繁栄は終り、習近平は孤立を深め、ますます攻撃的になっている

1937年、日中戦争がはじまったとき、中国は、アメリカ、イギリス、ソ連を味方につけていました。孤立させられた日本が負けたのは当然だったのです。しかし、日本は今回、アメリカ、インドを味方につけています。ベトナム、フィリピンも味方。オーストラリア、東南アジア諸国も概して味方。欧州は、フラフラし、「AIIB」「人民元のSDR構成通貨入り」問題では、はっきり中国側につきました。しかし、今後中国経済が沈むにつれ、欧州も離反していくことでしょう。

中国側からの激しい挑発は続いています。しかし、孤立を免れている日本はどんどん有利になっているのです。

image by: Wikimedia Commons

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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