今や誰もが知る存在となった「旭山動物園」。その成功の理由は「独自の展示スタイル」と言われていますが、無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』の著者・浅井良一さんによると、同園はかねてから優良企業と同じ「経営スタイル」をとっており、成功もある意味「なるべくしてなった」とのこと。旭山動物園を日本一に導いたそのスタイル、一体どのようなものなのでしょうか。
旭山動物園の「目標」と「経営スタイル」
日本の最北に位置する旭山動物園は、「行動展示」という独自の展示スタイルにより上野動物園を抜いて日本一の月間入園者数も記録しています。元々、地方都市にある来場者も多くない無個性な動物園でした。もちろん、予算も潤沢でなく来園者を引き付けるパンダのようなスターもいない状況なかでスタッフの知恵と努力で人気動物園をつくりあげました。
ないないづくしの中から出発したのですが、そこではジャック・ウェルチが言うところの勝つための3条件「頭脳」「ガッツ」「ハーツ」は整っていました。そして存亡の危機感の中で「私たちのミッションは何か」「来場者は何を望んでいるか」が徹底的に考られることになりました。そこで確認されたことを、とにかく存続のために実行して行きました。
旭山動物園が評判を得るに至るには、興味深いことにエクセレント・カンパニー(優良企業)と同じ「経営スタイル」を取っていることです。あたかも、マネジメントのテキストをマスターしたかのようです。まず自身のミッション(使命)を確認し、その上に立って共通する価値観のもとに適任者に権限を委譲して自由に能力を発揮してもらっています。