成功は必然。マクドナルドと共通する、旭山動物園の経営スタイル

 

旭山動物園で行われたのが、まさにこのことの実践でした。「どうしてこれだけの人気が集まったのでしょう」と問われると「見せ方を工夫したから」と答えるのだそうです。しかし、ここまで来るには、長い時間の思考の熟成と数多くの試行錯誤の実践と失敗の連続を必要としました。

もともと動物好きの飼育員が集まっているのですが、昭和50年以来最低月1回勉強会を開く伝統があり知恵と知識が蓄積されて行きました。この伝統が「人気を集める」ことになる重要な仕掛けです。この勉強会で、全員を巻き込んだ真剣で率直で自由な話し合いが行われ「良いアイディア」が生まれ共有化がすすめられました。

最初に確認されたのは、動物園は「レクレーションの場」「教育の場」「自然保護の場」「調査・研究の場」であるという「存在意義」についてでした。この「存在意義」について徹底的な共通認識化が促進されました。ここまで来ると、ビジョンとしてのイメージとお互いの考え方やあるべき役割が共有・認識され信念を持った実行がなされて行きました。

その結果生まれたのが、動物の「行動展示」でした。この見せ方は、飼育員が動物の行動を見て感動した経験を来場者に知ってもらおうとして思い至ったもので、Be daring勇気を持ってBe first誰よりも先にBe different人と違ったことをする)であり、マクドナルドの創始者のレイ・クロックがいうところの「成功の極意」そのものです。

 

 

戦略経営の「よもやま話」
著者/浅井良一
戦略経営のためには、各業務部門のシステム化が必要です。またその各部門のシステムを、ミッションの実現のために有機的に結合させていかなければなりません。それと同時に正しい戦略経営の知識と知恵を身につけなければなりません。ここでは、よもやま話として基本的なマネジメントの話も併せて紹介します。
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