ソニーのロボット復活の裏で起きていた、「人類の歴史的転換」

 

1つは、Googleの自動運転車に代表されるような、完全な自動運転車だ。

AIでは判断できない何か特別な状況になったとき、警告が表示され、人間に運転を任せるという仕組みを取り入れると、理論的には、その方が安全なように思われる。

しかし、人間はロボットじゃない。実際に試験運転を続けてみると、本職のテスト・ドライバーですら、自動運転を過信し、試験運転中にスマホをいじったり、注意を怠るようになり、急にAIに運転を代わってと言われても適切に対応できないということが分かってきた。

また、自動運転車で人間が運転を代わることになる場面は、AIでは判断できない複雑な状況ということになるので、人間だってミスするかもしれない。

要するに、この方式だと、事故が起こるリスクはさらに高くなるだろうから、完全な自動運転を目指すという考え方だ。

これについては、Googleが開発を進めているGoogle Car関係者が熱く語ってる報道が多々あり、また、Googleが自動車を作るということ自体、注目されているので、聞いたことがあるという方も多いだろう。

〔ご参考〕
Googleのロボットカーは日本の『カワイイ文化』を取り入れた?!

特に、有名なのが、Googleが先端技術の研究開発のために設立した「X」(以前は「グーグルX」と呼ばれていた)で、実現不可能と思われるような大胆な技術目標「ムーンショット」の研究グループを率いる「キャプテン」、アストロ・テラー(Astro Teller)氏だ。

今年2016年2月には、バンクーバーで行われたTEDの会議で講演し、自動運転車の「グーグル・カー」、荷物の自動運送を担う無人飛行機「プロジェクト・ウィング」、眼鏡型情報端末の「グーグル・グラス」などを含むムーンショット研究プロジェクトを紹介した。

そこで、テラー氏は、

我々は検討を始めてすぐに、完全自動運転以外には意味がないと気づいた

と断言し、今、アメリカでは大きな注目を集めている。

〔ご参考〕
The unexpected benefit of celebrating failure
中途半端では意味がない…Googleが「完全自動運転」にこだわる訳

もう1つの考え方は、

「いやいや、完全な自動運転の方がやっぱり危ないよ」

というもの。これについては別に説明不要だろう。

理想として完全な自動運転を掲げる気持ちはよく分かるけど、実際、この世の中に、1つもエラーを起こさない完璧なものなんてあるわけがないっていう考え方に基づいて、完全な自動運転ではなく、部分的に自動運転機能を取り入れていくという方針だ。

中心になってるのは、今や世界一の自動車メーカーとなった日本のトヨタ自動車

ちなみに、トヨタさんは、昨年2015年11月に、今後5年間、シリコン・バレーでのAIの研究開発のために10億ドルを拠出すると発表。その後も、なんやかんやとAI関連の話題が続いている。

〔ご参考〕
Here’s why Toyota is spending $1 billion on AI in Silicon Valley

Toyota Expands AI, Robotics Research to Third Facility

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