閉店の嵐。なぜクリスピー・クリーム・ドーナツは日本に負けたのか?

 

味が甘すぎ??

次は「」です。味覚は個人の嗜好が強く影響するため、個人的な感想の側面が強くなってしまう事を前提として記します。クリスピーは1937年以来のオリジナルレシピからつくられたドーナツを基本とするため、アメリカ人の味覚に合わせたものになります。日本人には甘みが強すぎ大味に感じられます。

クリスピーに対し、ミスドやコンビニ各社のドーナツは日本人の味覚に合わせた味になっており、甘みは適度に抑えられ、繊細な味付けになっています。日本人の味覚に合った味を徹底的に研究してドーナツを開発しています。

クリスピーは口溶けの良さによる食感をアピールしていますが、この点においてはミスドも負けていません。同程度とみていいでしょう。

ドーナツの製造工程を確認します。コンビニ各社は店舗から離れた工場で製造したのちに店舗に配送しています。クリスピーは工場を併設している店舗と併設していない店舗が混在しています。コンビニ各社と比べれば、「できたて」のドーナツを提供できそうです。一方で、ミスドでは全店ではないものの、一店一店で店内調理を行っています。ミスドと比較した場合、できたてを提供するという点では優位性があるとはいえません

最後に「利便性」です。現在の店舗数は、ミスドが1,200店超、セブン・ローソン・ファミマの合計は4万店超です。しかし、クリスピーは47店に過ぎません。利便性という点においては競合に対してどうしても見劣りしてしまいます。

ドーナツだけを食べにわざわざ外食する人はどれだけいるのか

消費習慣として、ドーナツだけをメインに外食するという考え方が消費者に根付いていないこともクリスピーは不利といえます。これはクリスピーだけでなく、ミスドにも当てはまります。事実、ミスドの業績は下降傾向にあることからもわかります。

コンビニ各社の優位性は、コンビニコーヒーなどとの組み合わせ購買による「ついで買い持ち帰り需要に対応しているところにあります。ドーナツはあくまで脇役という位置付けです。もちろん、クリスピーでも持ち帰りはできますが、店舗数の少なさから気軽に持ち帰りできるとは言い難いといえます。クリスピーはあくまで外食産業という位置付けで考えるべきでしょう。

以上から考えると、クリスピーが生き残っていくためには「価格」と「利便性」で勝負することはできません。「で勝負しなければならないことがわかります。ドーナツを食べるためだけに労を惜しんででもクリスピーに足を運びたいと消費者が思うことができる強い誘引が必要です。

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