「離脱派トップに騙された」EU問題に揺れる英国から邦人が生レポート

 

ボリス失脚に伴い騒動が収まりつつある与党・保守党にはサッチャー首相以来の女性首相が誕生する見通しとなりました。鉄の女と評されたサッチャーを引き継ぐのはメイ内相で、こちらも頑固さでは負けていない人物です。世論が割れ先行きが不透明なこの情勢をどのように切り盛りできるか注目されるところでしょう。

一つ言えることは、完全な総意とは言えない国民投票で英国はEU離脱を決めたことから、もう後戻りできない状況に陥ったということです。ここに住む者の1人としてポンド急落そして景気悪化など将来に不安を感じないではいられませんが、これ以上悪化せずに何とか体制維持を図ってもらうことを期待しています。まだ海の物とも山の物ともどうなるかわかりせんが、メイ氏が第2の鉄の女として断固かつ鋼のような意志でEU離脱が及ぼす影響を最小限に抑える一方で、離脱後のはっきりとした道筋を付けて国家を導くことを祈るばかりです。

著者/藤隼人(「街角の風景」連載。イギリス・ロンドン在住)
米国に長年住んだあとに意を決して帰国したものの、ちょっとした縁からロンドンに移住。欧州の歴史や文化に惹かれた著者が、東西奔放し欧州の今を多角的な観点からお伝えします。日本ではあまり知られていない音楽シーンなどもぜひ紹介していきたいと思います。

image by: MediaPictures.pl / Shutterstock.com

 

出たっきり邦人【欧州編】
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