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情報戦からはじまる戦争

日本人は戦争というと、兵士、戦闘機、戦車、戦艦などが撃ち合いするイメージしかありません。これは大問題です。正直いうと、戦争は、「撃ち合い」のずっと前からはじまっているのです。

何からはじまるかというと、「情報戦」から。情報戦の目的は、第1に、「自国民に、敵国は『悪魔のような国』である」と信じさせる。なぜかというと、いざ戦闘が開始されたときに、世論が戦争の邪魔をしないようにする

第2に、「他の国々に、敵国は『悪魔のような国』である」と信じさせる。これは、いざ戦闘がはじまったとき、「敵国に味方する国が一国もいないようにする」ためです。

例を見てみましょう。まず、日本がらみ。1930年代はじめ、日本と中国は、「満州問題」でもめていました。中国はこの時、「日本には、『田中メモリアルという世界征服計画』があるのだ」と大々的にプロパガンダします。その「世界征服計画」(=田中メモリアル)には、

  1. シナを征服するためには、まず満蒙を征服しなければならない
  2. 世界を支配するためには、まずシナを征服しなければならない

とあった(偽書です)。中国は、「日本が満州を支配したのは、世界征服の第1歩である! 田中メモリアルが、その証拠です!」と大宣伝し、信じさせることに成功したのです(!)。「情報戦で敗れた日本は、「国際連盟」を脱退し、「世界の孤児」になってしまいました。

今の世界をみわたすとどうでしょうか? 世界では、「プーチンは悪魔のような男だ!」いうプロパガンダが盛んです。イギリスが中心になって行っている。これも、「情報戦」です。

では、アメリカは、中国に対し情報戦を行っているのでしょうか?2015年3月の「AIIB事件」以降、ボチボチはじまっています。しかし、「中国経済は相当ヤバい!」というプロパガンダに集中しているようです。これを私は、「経済情報戦」と呼んでいます。

東芝や三菱自動車の汚職が明らかになれば、株価は下がるでしょう? これは、事実が情報として出てきて、株価に影響を与えた。しかし、あるマスコミが、「〇〇社はヤバいらしい」と書けば、根拠はあまりなくても、やはり株価は下がります。これは、情報が事実株価下落をつくったのです。

アメリカは、昨年から熱心に経済情報戦を仕掛け、結果中国経済はボロボロになってきています。とはいえ、アメリカ大統領が変われば、また変化があるかもしれません。そういう意味で、米大統領選はとても大事です。

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