判決無視を決め込む中国、世界は「やったもん勝ち」を認めるのか?

 

代理戦争

今の世界には、二つの超大国があります。アメリカ中国です。アメリカは、GDPと軍事力で世界一。中国は、GDPと軍事費で世界2位。本質は、「米中の覇権争奪戦」なのですが、お互い核兵器大国。それで、本音では、「戦争なんてしたくない」と思っている。では、どうするか?

他の国に戦わせよう!」

これを、「バックパッシング」(責任転嫁)といいます。たとえば、米ソ冷戦時代。アメリカとソ連は、直接戦いませんでしたが、「代理戦争」はあちこちでしていました。中国で、朝鮮半島で、ベトナムで、アフガニスタンで…。

今も同じようなことが起こっています。アメリカの傀儡国家だったジョージアは08年8月、ロシアと戦争し、大敗北しました。ロシア、イランから支援を受けるシリア・アサド政権は、欧米から支援を受ける「反アサド派」と激しい戦いを繰り広げました。アメリカの傀儡国家になったウクライナ新政府は14年、東部親ロシア派と激しく戦いました。これらは、「現代の代理戦争」の例です。

問題は、「アメリカが覇権を維持するために、日本と中国を戦わせる可能性がある」ことです。日本はアメリカの動きをよく観察し、「アメリカなしの日中戦争」を断固回避しなければなりません。日本が目指すのは、あくまで「アメリカを中心とする中国包囲網」の形成です。日本が主人公になっては決していけないのです。

結局、どうやって中国をとめるの?

Iさんのご質問に回答するべきですね。まず、南シナ海の埋め立てや軍事拠点化を、実際にとめることはできません。しかし、中国が今後も、国際法、国際秩序を無視するような行動をつづければ、孤立が深まり、ある時点でアメリカが本気になるでしょう。(実をいうと、2015年3月のAIIB事件以降、オバマさんは本気になり、かなり成果をあげています。しかし、任期切れが迫ったオバマさんの影響力は衰えているので、中国バッシングの勢いが衰えている)。

実際に何が起こるかというと、

  1. 情報戦で、中国を「悪魔化」させ、「孤立」させる
  2. 経済情報戦で、中国経済を破壊する(これは、すでにおこなわれているようです)
    もし、中国が「暴発」すれば
  3. 対中国経済制裁(親中国になっている欧州が参加するかがカギ)

そして、最終手段が「戦争」ということになりますが、なんらかのきっかけで「米中戦争」が起こる可能性も否定できません。「核大国同士の戦争はない」といいますが、「核大国同士の戦争は、結局通常兵器同士の戦争になる」ともいいます。なぜかというと、両国とも核兵器を使えないから。

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