出光の「お家騒動」出口見えず。なぜ創業家と経営側で対立するのか?

 

出光の創業家が「待った」をかける理由とは

しかし、出光の創業家の「待った」により、合併の流れは混沌としています。創業家は出光の株式の33.92%を保有していると主張しています。合併承認には、年内に予定する出光の臨時株主総会で、株主の3分の2以上の賛成が必要になります。現状、合併は困難な状況にあります。

14年12月、出光は昭和シェルを「買収する方向で交渉に入ったと報じられました。TOB(株式公開買い付け)により、子会社化を目指していたようです。しかし、現時点では買収は行われていません。結局は15年11月に、両社が合併する基本合意書を締結することになりました。

出光の創業家にとって、「合併」は不都合なものになります。買収と違い合併の場合、創業家の株主総会における議決権は3分の1以下になり、影響力が大きく低下してしまうからです。株主総会において出席議決権の3分の1超があれば、会社経営の根本にかかわる議案を否決することができます。

創業家にとって合併は影響力の低下につながります。一方で、業界が置かれている厳しさも認識しているはずです。現状のままでいいとは考えていないでしょう。落とし所はどこになるのか。創業家と経営陣の綱引きはしばらく続きそうです。

image by: TK Kurikawa / Shutterstock.com

 

店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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