出光の「お家騒動」出口見えず。なぜ創業家と経営側で対立するのか?

 

業界再編は避けて通れない?

石油産業が成長していくためには、石油製品の事業強化はもちろん、電力やガス、鉱物資源といった新たな成長分野を開拓する必要があります。そのためには、業界再編は避けて通れない道といえるでしょう。

出光は、石油製品以外では「資源事業」が強みです。油田や石炭、ウランの開発を得意としています。16年3月期の資源事業の営業利益は6億円の赤字でしたが、15年は130億円の黒字です。主力の石油製品事業と石油化学製品事業の赤字の穴埋めを担っていました。

昭和シェルは、「エネルギーソリューション事業」が強みです。太陽電池や電力の開発を得意としています。15年12月期のエネルギーソリューション事業の営業利益は101億円の赤字でしたが、14年は176億円の黒字です。主力の石油事業の赤字の穴埋めを担っていました。

両社が合併することで、主力の石油製品事業の生産効率を改善し、成長分野での事業多角化を実現することができます。資源エネルギー庁は石油産業の事業再編と設備最適化の必要性を指摘しており、両社の合併は国策にも合致しています。経営統合は必然の流れといえるでしょう。

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