2030年代、南海トラフ巨大地震が起こる―京大名物教授が明言

 

活断層は日本に2000カ所

鎌田教授によれば、5年前の3.11東日本大震災以降、日本は1,000年ぶりの大変動の時代に入り、今後想定外の地震や噴火の自然災害が次々と続くそうだ。東日本大震災だけをとってもその余震などは30年続くという。東日本大震災の震源域は南北500キロメートル、東西200キロメートルに及ぶ広さだった。

日本には岩盤の弱い活断層といわれる場所が2,000カ所あり、うち100カ所が活動中とされる。原発の下の活断層が話題になるが、日本は活断層の上にあるようなものなのだ。地球科学からみると、東日本大震災をおこした地下の活動は全く終わっておらず、静穏期になるまでに数十年はかかるそうだ。

一番心配されているのは南海トラフ巨大地震だ。日本列島はプレートと呼ばれる4つの岩盤が押し合いへし合いしている変動地域の上にあり、特に東海、東南海、南海の3つが連動しておこる南海トラフ巨大地震が同時に来ると巨大災害になるという。静岡沖から宮崎沖までの深海4,000メートル地帯では、ほぼ間違いなく2030~2040年(2035年プラスマイナス5年)のうちに大地震がおこるという指摘。その場合、マグニチュードは9.1以上20~35メートルの津波32万3,000人の死傷者被害額200兆円以上と予測されている。日本は4つのプレートがひしめいているので、「4つの恐怖」があるといわれる。海の地震、陸の地震、西日本震災、火山噴火である。近年の雲仙普賢岳、東京の三原山、鹿児島の桜島、御嶽山、西之島の噴火等では大きな話題となった。マグニチュード9クラスの巨大地震が発生すると、同じ海域内で10年以上たってから大地震がおきることがある。たとえば、明治三陸沖地震(1896年)で死者2万1,000人以上を出したが、それから37年後に昭和三陸沖地震(マグニチュード8.1)が発生、3,000人の犠牲者を出した。

私たち人間の時間軸は普通1週間程度だし、企業の経営計画も1年、中長期でも3~5年程度だが、地球科学では50年、100年などが当たり前なのだ。普通30~50年に1回と聞けば、自分の生きているうちには来ないと考える。しかし、最近の災害は40~50年ぶりとか、70歳台の老人が「こんな災害、生まれてから初めて」などと話すのをよく聞く。近年は世界的にも40~50年ぶりの災害が発生する時代になっているのかもしれない。

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