「想定外」の事態に備えよ
大変動時代に入ると突発的に地震や噴火がおきるので「予測と制御」が機能しにくい。従って常に「想定外」の事態を考えておき、突発的出来事に対して柔軟に対応する「しなやかさ」を普段から持ち、考えておくことが必要だという。企業も東京一極集中にこだわらず、東京で大災害がおきた場合の第二、第三の対応を考えておくことが重要なのだろう。
鎌田教授は、学生時代に地質学を専攻したが、授業にも本にも興味が持てず、さっさと卒業して普通の企業に就職したいと考えていた。ところが「受けては落ち」の連続で、結局通産省の研究所に入って研究を続けている時、阿蘇山の9万年前の噴火跡のカルデラ(直径約20キロメートルの陥没)を見て、その広大さと、エネルギーのすごさを実感して本気で勉強に取り組むようになったという。いま阿蘇山のカルデラを形成するような爆発があると、九州全体に20センチメートル、大阪で10センチメートル、東京でも5センチメートルは積もる火山灰が降り注ぐだろうと想定されているそうだ。自分の人生を振り返ると、本物の自然と良い師匠に出会ったことで火山、地質学の道に入ることになったといい、その経験から対象の学問、勉強だけでなく周辺の広い知識も持てるような「一生ものの勉強」が大事で、そこから人生に必要な「直感」も磨かれていくと説く。
※ 8月21日と28日の日曜午後9時半からTBSラジオで2回にわたりインタビューの模様を放送予定。詳細は嶌信彦オフィシャルサイト等で発表。
なお、当日撮影した画像をブログに掲載しております。ご興味をお持ちの方は合わせて参照ください。
● 時代を読む
(TSR情報 2016年7月27日)
image by: Shutterstock
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