多元的な阻止能力とは?
ルトワックさん、さらに細かい話をされています。今の段階から、「人民解放軍が尖閣に上陸した」ことを想定し、
- 海上保安庁に任務を与える
- 海上自衛隊に任務を与える
- 陸上自衛隊に任務を与える
- 航空自衛隊にも任務を与える(制空権を掌握し、島を隔離する)
これは軍事面ですね。
次にルトワックさん、「外交面」についても書いておられます。「尖閣有事」の際、外務省はどう動くべきなのか? 今から「準備をしておくことが大事」だそうです。
外務省も、中国を尖閣から追い出すための独自の計画をもたなければならない。中国が占拠した場合を想定して、アメリカ、インドネシア、ベトナム、そしてEUなどへの外交的対応策を予め用意しておくのだ。
(p171)
では、外務省は具体的に何をするべきなのでしょうか?ルトワックさんは例として、こんな提案をしています。
たとえば中国からの貨物を行政的手段で止める方策なども有効であろう。EUに依頼して、軍事的な手段によらずに、中国からの貨物処理の手続きのスピードを遅らせるよう手配するのだ。
(中略)
こうすれば、中国は、グローバルな規模で実質的に「貿易取引禁止状態」に直面することになる。
(中略)
全体としては、かなり深刻な状況に追い込まれるはずだ。
(p171)
結論を言えば、「日本政府は今から、人民解放軍が尖閣に上陸したら、何をすべきか、決めておくことが必要」ということですね。
読者さんの中で総理をご存知の方がいれば、ぜひ教えてあげてください。
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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