SMAPの解散を経済学の「ゲーム理論」で紐解いてわかったジレンマ

 

「残留」が合理的な選択肢だった

しかし、一連の独立解散騒動は協力ゲームではありません。非協力ゲームの囚人のジレンマそのものです。お互いが疑心暗鬼の状態でした。誰かが抜け駆けして敵対的行動にでる可能性を考慮するべきでした。結果として、残留する(協力しない)ことが合理的選択になってしまっていたのです。この状況で残留を表明する人がでてしまうと、独立を表明した人の利益は最小になってしまいます。ジャニーズ事務所がメンバーの思惑・行動を察知してメンバーの誰かが抜け駆けするよう仕向ける前に、メンバーは独立を果たすべきだったといえます。

メンバーの間には様々な感情が交錯していたのでしょう。冷静な判断ができなかったのかもしれません。様々なしがらみが邪魔をしたことも考えられます。いずれにしても、外野がとやかく言うことではないのかもしれません。ただ、彼らには申し訳ないですが、一連の騒動からは多くのことを学ぶことができます。

一連の独立・解散騒動はゲーム理論で説明することができました。世の中にはゲーム理論以外にもたくさんの「理論」が存在します。「理論」を知っておくことは意味があります。同じような状況に立たされた場合に、「感情ではなく理論で動くことができるようになるからです。人間の失敗の歴史は感情によるものが大半です。間違った「感情」を引き起こさないために「理論」は存在するといえます。

それにしても、SMAPが解散するというのは本当に衝撃的です。メンバーの今後がどうなるのかは見当もつきません。「ちょ、待てよ!」という気持ちが強くあります。それでも一言。

SMAPの皆様、本当にオツカレサマでした。

image by: Shutterstock

 

店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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