やはり数億?高畑裕太容疑者に請求されるであろう賠償額を弁護士が予測

 

次に、ドラマの場合。もっとも痛手が少ないケースであれば、代役による撮り直しを行い、それを放送するということが考えられます。この場合、代役のギャランティー撮り直しの制作費。さらに言えば、再度共演者を手配するために生じるギャランティーなどが主だった損害となります。

しかし、ドラマの途中から代役を立てるような場合、後々見込んでいた再放送によって得られる利益やDVD化など他メディアへの展開が困難になることが考えられます。その場合、将来的に生じることがほぼ確定的な利益も損害の項目として算定されるため、損害が拡大することになります。

最悪のケースで言えば、「もはや放送は不可能だ」と判断すれば、ドラマ自体をお蔵入りとして放送しないことも考えられます。となれば、ドラマ制作に生じた費用やドラマの放送から得られる利益の一切合切を請求されることになるでしょう。

加えて言えば、バラエティーにもドラマにも当然CMスポンサーがいますので、不祥事を起こした芸能人が出ていた番組のスポンサーを降りるということも考えられます。そうすると、スポンサーから得られるはずであったCM収入も損害額となります。

一人の不祥事が、多方面の損害へとつながることがご理解いただけると思います。舞台や映画などもこれまで述べたような損害項目の考え方に準じることになります。

CMについては、不動産賃貸事業者1社のみの契約でした。当然、このスポンサー契約についても、当初のサービス提供ができなくなるわけですから、損害賠償請求は免れないでしょう。

基本的に当初のCM計画、例えばテレビ放映、インターネット上での展開、各種販促物への展開などで、達成できない部分が直接的な損害となります。具体的には、地上波の放映は終わっていたようですが、ウェブ上でのCM動画が削除されたり、多量に制作された販促物が使えなくなったりしていたようですので、これらも損害項目となります。

ざっと考えただけでも、さまざまな項目が挙げられます。したがって、報道で踊る「損害賠償請求は数億円単位か?」という内容はあながち嘘ではないことがわかります。

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