世界一栄養のない野菜「きゅうり」、しかしダイエットには意外な効果あった

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旬の食材を「栄養」「中医学」「英語」という3つの面から紹介する『一石三鳥健康メルマガ』。今回ご紹介するのは、「きゅうり」の中医学編です。前回の記事では“世界一栄養がない野菜”とか、ひどい言われようでしたが、中国女性はその“栄養のなさ”を逆手にとって、有効活用しているようですよ。

きゅうり ~中医学編~

こんにちは、もげらもげこです。

皆さんのお住まいの地域では、台風の被害はどうでしたか。台風の後は、一気に梅雨明けになるでしょう。湿気や猛暑に耐えるために、きゅうりのような体を冷やす野菜を食べて、適度に体内の温度を整えてください。

今日は、きゅうりの中医学編です。前回、ほとんど栄養がないなどとひどい言われようをしたきゅうりですが、中国人はどんなふうに思っているのでしょう?

まず、きゅうりは中国語で黄瓜といいます。日本語では胡瓜書くことがありますが、中国でもこの字を使っていた時代もあるそうです。胡の字は、にんじんの回の時に説明したので覚えてる方もいらっしゃるかもしれません。「外来の」という意味があります。こしょうも胡椒と書いたりくるみを胡桃と書くのも、もともと別の民族から伝来してきたものという意味があります。

それでは、きゅうりの帰経をみてみましょう。最近登録して下さった方が多いので、帰経について説明させていただきますね。中医学において、食べ物の効能を表したもののことです。日本でも、体を温める食材とか冷やす食材という言葉が使われるようになってきました。中医学では、もう少し細かく分類されています。きゅうりを例にとって説明させていただきます。

性・味:涼、甘
帰経:脾、胃、大腸
効能:利尿、美容、血をきれいに、ダイエット

最初の性と味というのは、その食べ物の性質と味を表します。涼性というのは、体を冷やす働きがあると言うことです。甘というのは、体に対してエネルギーになるという意味です。体は、気、血、水という3つのアイテムのバランスがそろったときに、調子よく動くように出来ています。甘味がある食材というのは、気や血を補って体力を増進し、さらに利水作用で体内の余分な水を排出する働きがあることを指しています。

中医学では、体の臓器どうしは経絡と呼ばれるもので結ばれていると考えます。全ての臓器は、12本の経絡を通じて繋がっています。経絡は、電車の線路だとお考えください。電車には、先ほど申し上げた気、血、水という生命活動に必要なアイテムが載っています。それらを停車駅であるところの臓器で下すことによって、それぞれの臓器がうまく働くことを助けています。つまり帰経とは、その食べ物の成分がどの路線を通るのかということです。きゅうりは、脾経、胃経、それから大腸経を通ります。

つまり、食べ物を消化吸収したり排便したりする部分の機能を増強したり、水分排出の促進がはかれるのです。なるほど、ダイエットや美容に効果がありそうですね。

中国ではこの美容効果を期待して、きゅうりパックをする女性が多いようです。パックのことは面膜(ミエンモゥ)といいます。面にはる膜ってことですかね?前回はきゅうりパックは効果がないと書きましたが、顔のむくみがとれてしゅっとしそうです。冷やす効果を使って、日焼けしすぎた肌の鎮静化にも効果がありそうです。

中国人は体を冷やすのがあまり好きではないという話は、今まで何回も書かせていただきました。中国人の友人3人に聞いたところ2人が、涼性であるきゅうりを生で食べるのはキライと話していました。では、そんな中国で食べられている、加熱したきゅうりを食べるレシピをご紹介します。

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きゅうりの卵炒めです。薄く切ったきゅうりとにんじんを、よくかき混ぜた卵と一緒に炒め合わせます。味付けは塩だけです。えー、おいしいの?と思ってしまいますよね。中国ではポピュラーなメニューのようで、友人たちは全員知っていました。

また、きゅうりとゆでたまごだけ食べるダイエット法というのもあるようです。卵もきゅうりもダイエット食材だから、どちらもどれだけ食べても太らないと書いてありますが、本当でしょうか。このページの中にも、きゅうりの薄焼き卵など、加熱したきゅうりメニューが掲載されています。朝昼晩、それぞれ何をどのくらい食べるべきかが書いてありますので、勇気がある方はどうぞ試してみてください。

image by: Shutterstock , xinshipu.com

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