業者が明かす、1円でも高く不動産を売りたい人が陥りやすいワナ

 

しかし、こうした行動は却って逆効果になります。依頼する不動産会社の数が増えれば増えるほど、まともに相手をする不動産会社は逆に減っていきます。業界内で悪い意味で有名人になってしまうのです。

確かに営業成績抜群の営業マンというのは、どこの会社にも存在します。しかし、「営業力があり優秀=相場以上の高い金額で決めてくれる」という訳ではありません。

物件情報が不動産会社だけのものだった一昔前であれば、話は違ったかもしれません。例えば、案内したお客さんに、「内見してもらった物件がこの地域では唯一無二のものであり、今決めないと他の検討している人が決めてしまいますよ!」と焦りを誘うことで成約に至っていたかもしれません。ただそれは、物件の情報で、エンドユーザーが情報を持たない時代だったからこそ、可能な戦法です。

今や物件情報はオープン化され、不動産会社だけのものではなくなりました。誰でも気軽にインターネットで不動産を探せるようになったことはご存じでしょう。特に地域を限定して探している人であれば、パソコンやスマホで常にそのエリアの物件を見ているので、不動産会社よりも物件の動きに詳しいということも珍しくありません。

また、不動産会社に問い合わせて物件や資料を見せてもらわなくても、インターネットで集めてくる情報を参考にして、ざっくりとした相場を誰でも把握することが出来るようになりました。先に挙げたような、昔の不動産会社の常套文句が通用しなくなりました

物件を高く売りたい! 高く貸したい! と願うのは、不動産オーナーすべての隠さざる希望に違いありません。ですから誰もがこうしたワナに陥ってしまう可能性はあるのです。客観的に自分自身の物件を見つめなおすことが時には必要でしょう。ご注意ください。

image by: Shutterstock

 

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