わかったフリはもうおしまい。サルでもわかる「資産運用の話」

 

まず、世の中の基本的なお金の流れを理解する

これからきっちり投資を行っていこうと思う人は、世の中をこのように見ると良い。まず、世界にはお金が溢れており、「より良い場所を見つけて動き回っているということだ。その場所は、大きく4つある。一つは、アメリカ、もう一つは日本、そして、アジア、ヨーロッパである。アメリカ日本アジアヨーロッパ。これから投資をする人は、この4つを頭に叩き込んでおこう。(アジアは、グレーターチャイナ、韓国、台湾、東南アジアに別ける)

例えば、今年の8月にイギリスのEU離脱の選挙があった。その後、世界のお金はヨーロッパから逃げていき安全といわれている日本の円に向かった円高が進んだ要因だと説明される。投資というのは簡単にいえば、「次のお金の動きを予想して、「次の場所を安く買って待っておくこと」だ。世界のお金は余っているのだから、必ず、アメリカ、日本、アジア、ヨーロッパのどこかに動く。そして、その場所には、「株」、「債権」、「不動産」、「コモディティ」などいろいろな投資対象がある。世界のお金は、それらの中で「最も膨らみそうなもの」を目指すのだ。

株というのは、企業である。したがって、企業の業績が上がれば株価は上がる。株式投資をする場合、企業の性質を見極めよう。大きく分けて、企業には「内需輸入型」と「外需輸出型」に分かれる。内需輸入型というのは小売企業や消費財を扱っているメーカーで、その国の国民向けにビジネスをやっている企業だ。日本の外食産業、家具、スーパー、コンビニなどはすべてそうだ。これに対して、外需輸出型というのは、トヨタ、パナソニック、ソニーなど、世界中に製品を輸出して儲けている企業である。当然ながら、円高になれば内需型企業は業績が好調になるし、円安になれば外需型が好調になる。

イギリスのEU離脱時に、世界のマネーが日本に向かったように、世界から日本の円は何かあった時の避難場所」と思われている。日本は大胆なことは何もしない国だから、大きく不況になることもないが成長することもない。だから、行き場を失えば円は買われて上昇する。

実は、円が上昇すれば、ユニクロやニトリなどの内需型産業が儲かるのだが、自民党は外需産業を儲けさせたがっている。理由は、日本国内の市場は飽和しており成長しにくいからだ。だから、安倍首相は、無理やり円を安くして、外需、輸出型産業を儲けさせたがっている。

ここが難しいところである。つまり、政府が何もしなければ円はどんどん上昇し、日経平均は14000円代ぐらいまで下がるだろう。しかし、そうしたくないので借金をしながら国が株を買って日経平均を上げる世界の金の動きと逆の動きを日本政府がやっている。この結果、円が100円という上昇基調にあるのに、日経平均は16500円-17000円をうろついているという「ねじれ」になっている(8月執筆時)。 

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