わかったフリはもうおしまい。サルでもわかる「資産運用の話」

 

投資オペレーションをルーチン化 

こうした世の中の流れをつかむためには毎朝日経新聞のマーケット情報に目を通す癖をつけよう。例えば、米国の株価が上がると、よく日は必ず米国向け輸出関連企業の株価が上がる。多くの輸出企業は為替予約をしているから、少々円高になっても株価が上がる。

株価が一定以上上がると面白いことが起きる。今までずっと赤字で踏ん張っていた人たちが、一気に株を売りに出し「利益確定」を始める。そうなると、反動で株価が下がるのだ。ただ、今は株価が下がると日銀がETF (日経平均の代表株)を買うので、株価が動かない(2016年8月時点)ため、この法則が成り立たない。逆に言えば、日銀がETF買いをやめることを決定したら株価は落ちるだろう。そうなれば、自分の目で判断し、優良銘柄を選んで買いに出る。あとは、1年、5年と待って成長を見守る。

株式投資をやるときに注意しなければならないのは、リターンのパフォーマンスを予め自分で決めておくことだ。例えば、年5%ぐらいの割合で増やしたいと思うのであれば、株価が5〜10%ぐらい上がったら利益確定してしまうということだ。この時、「まだ上がるんじゃないか」とか、「もっと突っ込もう」と考えず、想定された利益率が出たらきちんと利益確定する。複利計算をしてみると、100万円を年10%毎年増やせば、10年後には300万ぐらいになる。7%で250万円ぐらいだ。1000万なら3000万になる計算になる。私は、自分の将来シミュレーションは年5%で増やす計算で将来設計をしているが、株式は10%を超えたら売るというルールを徹底している。(ものによっては15%)しかし、某大手小売業が失速し、メディアが騒ぎたて2万円代になったとき株を買ったのだが、予想通り短期で3万7000円まで上昇した。当たり前だ、春にガウチョパンツが売れなかっただけで、企業価値が40%も落ちるわけがない。PERもPBRもへったくれもない。必ず上がるとわかっていた。しかし、私は15%ルール(この時だけは15にした)で利益確定した。3万ちょいだったと思う。「もっと上がる」とわかっていた。実際にもっと上がったし今でも上がっている。だが、決して自分を責めないし、売ってよかったと思う。某大手小売業は売買価格が高いので信用取引に手を出したくなるがその悪魔も誘惑も断ち切った

1. 決められたリターンを守る

2. 信用取引には手を出さない

と、私は決めており「ルールを守る」ことが大事なのだ。

(私は、上記二つを否定しているわけではない。信用取引もリスクを吸収したりヘッジしたりする手法やツールはあるが、私はやらないというだけだ)

先に述べたように、これからの為替動向、経済動向、内需型、外需型、企業の割安銘柄を選び2年3年と踏ん張って持っていれば必ず想定利益を生み出してくれる。その時を逃さずこまめに利益を食う。また、増えたお金はその時の経済状況を分析し、「その次の銘柄に移しておく。こういうことを繰り返すのだ。これだけで、あなたの資産は増える。どうだろう。そんなに難しい話ではないと思うが。

<次回へ続く>

image by:Shutterstock

 

『FRI Magazine』
著者/河合 拓
コンサルティングファーム取締役。講演、セミナーを数多くこなす傍ら、IT企業、製造業、商社、流通・小売など再生案件を手がけた企業は多い。本当の問題解決力を身につけたいと思いませんか。私は、数多くの企業と事業の再生を手がけ多くの成果をあげてきました。私は実際に事業を動かしている実務家です。このメルマガは生々しいプロフェッショナルビジネスの現場から、私自身が解説してゆくノンフィクションストーリーです。
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