道徳をなくした日本を救う、声に出して読みたい寺子屋の教科書

 

少年院の教官をしている方から聞いた話ですが、少年院に入る子の多くは、正しく箸や鉛筆が持てないというのです。また、集中して本を読むことができない子が多いそうです。彼らは家庭教育の中で箸の持ち方や鉛筆の持ち方、本を読む力といった基本的なことを教えられないまま成長してしまったのです。きちんと箸を持って食べ、鉛筆を持って書き、本を読むことができるようになるためには、それらの大切さをしっかり教えてくれる人が必要です。

昔、インドの山中でアマラとカマラという狼少女が発見されました。彼女たちは幼い頃、親に捨てられて、狼に育てられたといわれます。そのため、狼のような唸り声をあげ、四足で歩きました。狼の生活様式を教えられて、狼として育ったのです。良し悪しを問わず、人間にとって教えの影響力は大きなものです。狼に育てられれば、人は狼のようにもなるのです。だから、幼い頃からしっかり教えなくてはいけない。そして、教わる側は心を集中して学ばなくてはいけません

「やると決めたら途中で放り出さずに最後までやりなさい」と『三字経』はいっています。それが「専らを以て貴ぶ」という言葉です。たとえば問題集をやり始めて、最初はやる気になっていたけれど、10ページも進まないうちに「ああ、やめた」というのは「専ら」とはいえません。

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