孫のつぶやきが奇跡を生んだ。「おじいちゃんのノート」爆売れ分析

 

実は2015年のプロモーションで使った媒体とTwitterでの宣伝には決定的な違いがあります。それは何かというと「利用する層」です。Twitterの利用者の中心は若い方だと思われますが、東京都の認定商品カタログを見ている若い方は、なかなかいないでしょう。

水平開きノートの顧客ターゲットは学生ですので、若い方が中心になります。つまり、この若い方にリーチできないプロモーションをいくら打っても効果は期待できないということです。要するに顧客ターゲットとプロモーション(売り方)の整合性がとれていなかったことが、売れなかった主な要因であるといえるでしょう。

そして、今回の一番のポイントは水平開きノートを職人がお孫さん学生=若者に渡したことだと思います。お孫さんが誰か欲しい人がいるかもしれないとツイートしたわけですが、これをもし職人と同世代のシニアの方に渡していたら、ここまでの拡散は見込めなかったでしょう。

お孫さん(学生)がツイートしたことにより、そのお孫さんの友人のネットワークも若い方が中心だと想定されますので、若い方がそのメッセージを受け取ることになり、友人(若者)からその友人(若者)へ拡散され、水平開きノートに魅力を感じる方が、実際に注文し、使ってみての感想を発信する。といった形で、口コミの連鎖が拡がっていったわけです。

もちろん、商品に魅力があるからこそ、口コミの拡散につながったとも言えますが、どんなに魅力的な商品であっても、その商品を魅力的と感じてくれる方に知ってもらえなければ、売れることは難しいということを示している事例といえるでしょう。

今後、ショウワノートと組むことで、水平開きノートが、どこまで拡がっていくのか楽しみです。

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