帰りたいけど生活レベル落とすの嫌。疲労と残業の狭間で悩む人達

 

新米 「時間外労働が多い会社さん、やっぱりありますもんね~」

所長 「いま、36協定が働き方改革のなかで焦点になっているんだ」

新米 「え? そうなんですか?」

所長 「現在の労働基準法では、1日8時間1週間で40時間までの労働を原則としているけれど、36協定では、労使間で協定を結べば、上限なく青天井で残業させることが可能になっているよね。これが抜け穴となって労働者に過重労働を押し付ける状況が生まれているんだ」

新米 「そういうことで、36協定なんですね」

所長 「厚生労働省は、先日、36協定のあり方を議論する有識者会合を開いたんだ。時間外労働にはいろんな背景があるけれど、会合では、長時間労働の背景について『依頼されても断れない下請け構造や、24時間営業など過剰なサービスがある』という意見、それとは逆に『残業代が減ると困るという労働者の声もある』というの意見もあがったようだ。残業代が生活給になってしまっているんだね」

新米 「生活のレベルが落とせないと時間外労働も減らせないってことになってしまっているんですね。なんか切ない…」

所長 「政府はこれからも、安倍総理大臣を議長とする『働き方改革実現会議』を開催し、さらに議論を重ねていくだろう」

首相が「長時間労働を自慢する社会を変えていく」と意気込む背景には、日本の労働時間が年間1,729時間とフランス(1,473時間)やドイツ(1,371時間)よりも長い現状があります。短時間勤務のパートなどを除いた実質労働時間は年間2,000時間で推移しており、子育てや介護を抱えた人、高齢者らの柔軟な働き方を阻害していると指摘されています。

E子 「そうなんでしょうね。わたしたちもしっかりしないと、ねっ新米くん!! (どんっ!)」

新米 「え? そんなに背中をきつく押さないでくださいよ!」

所長 「過労死リスクが高まる月80時間』の線引きをどう考えるかだね」

E子 「はい、確かに…」

所長 「政府・与党内では『60~70時間』や『45時間』といった案も浮上しているらしい。実効性を担保するため罰則も設ける方向だそうだ」

新米 「これから、厳しくなりそうですね」

所長 「やっと…ということかもしれないな」

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