世界の「中国離れ」がますます加速。人民元崩壊の足音が聞こえてきた

 

2017年にはオランダ、フランス、ドイツと、欧州の大国で大統領選挙や首相を選ぶ選挙が行われます。ここで反移民や反グローバリズムを謳う保守政党が躍進すれば、EUの解体が現実味を増してきます

ドイツのベルリンではクリスマス市にトラックが突入し、多くの死傷者が出ました。テロの可能性も指摘されており、場合によっては移民受け入れを支持してきたメルケル政権に対してさらなる打撃となりかねません。

このように、グローバリズムから反グローバリズムへと世界が転換するなかで、グローバリズムの恩恵をもっとも受けてきたBRICS諸国、とりわけ中国は大打撃を受けることになるでしょう。しかも、過剰生産のはけ口としてグローバリズムを利用するという輸出構造ですから、世界がこれにNOを突きつけるのも当然なのです。

マクロ経済史から見た中国の経済成長は、内的には、「竹のカーテン」を開いて「自力更生」という自信過剰の中華思想をやめて「改革開放という外資を頼る他力本願」という180度異なる政策変更にあります。また外的には、冷戦終結後の「パックス・アメリカーナ」の時代に、カネ、人、資源、技術などの国境を超えた移動、すなわちグローバリズムの拡散によってBRICSが生まれたことがあります。

しかしグローバリズムの後退と、「本土主義」「自国優先」の潮流拡大により、通商国家である中国は生存条件が次々と消滅することになります。そして天下大乱を目前にして、中国人が祖国(あるいはホームグラウンド)から大脱走するということは、すでに2,000年近く前の漢王朝の天下崩壊から延々と続けられてきたことです。つまり、いまは崩壊前夜ということなのです。

中国人は、「中国は人類史の95%にわたって時代の主役として独走してきた。西洋人にわざと譲ってあげたのはほんのここ数百年のみだ」と国自慢していますが、それには何の根拠もありません。

しかしそのような妄想を肥大させ、人民元を国際化・決済通貨とすることで、ドル基軸体制から逃れるとともに、人民元経済圏をつくり、自国の経済に有利な決済を可能としようとしてきた中国ですが、その目論見は早くも崩れ去ろうとしています。誰も人民元を使いたがらないという状況で、あとは通貨暴落そして国家崩壊が待ち受けているだけなのです。

image by: Frame China / Shutterstock.com

 

黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』より一部抜粋

著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!
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