携帯3社が相次いでドローンビジネスに名乗り。カギは「圏外」対策

 

基地局から飛ばしている電波は、地上にいる人もしくはビルのなかに居る人に向けられている。地上に向けた電波においては「人口カバー率99%以上」であっても、それが100メートルを超える上空となれば、本来、基地局からの電波はそうした高さを想定していないわけで、人間にとって「エリア」であっても、ドローンからすれば「圏外」という可能性もありえる。

仮に圏外であっても、ドローンはGPSで位置情報を測位するので、予め決められた場所なら飛行できる。圏外になり、LTEの電波をつかまなくなっても、すぐに飛行できなくなる、というものでもない。しかし、カメラで撮影している映像をセルラー経由で中継する、となれば、飛行場所がしっかりとエリアされているかどうかが重要となってくる。

手軽に飛ばせる場所となれば、ルーラルエリアとなるが、一方で、ルーラルエリアとなれば、「上空まで電波が飛んでいるか」という点が不安要素となっている。

また、NTTドコモは離島に住む人向けの買い物サポートとして、福岡・能古島で実証実験をやっているが、実際に能古島に行ってみると、朝夕の通勤・通学時間には30分に1本、日中も1時間に1本、連絡船が能古島と福岡市内を往復している。わざわざ、多くの人手を使い、ドローンを飛ばして、離島に商品を届けるよりも、連絡船に乗せてしまった方が、はるかにコスト面で安上がりになるはずであり、そこにドローンの出番はないように思える。

アーバンエリアでのビジネス展開がすぐには着手できない中、「いかにルーラルエリアで、電波を確保しつつ、儲かるビジネスモデルを探すか」が、キャリアのドローンビジネスには求められそうだ

image by: Shutterstock

 

石川温の「スマホ業界新聞」』 より一部抜粋

著者/石川 温(ケータイ/スマートフォンジャーナリスト)
日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。
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