「休日は私生活だ」と、部下を宗教に勧誘する上司は許される?

 

会社が勝ちました。その懲戒処分は「有効」とされたのです。

みなさんの中には「そんなの当り前」と感じる人も多いかも知れません。ただ、繰り返しますが、私生活上の行為については会社は強制や指示をすることはできないというのが基本です。社員には「私生活の自由」の権利があるからです。

では、なぜこの裁判では、会社が勝ったかというと、その行為が「会社の秩序を乱す場合は別」だからです。この裁判では、チラシに書いてあった会社を中傷する行為がその場合にあたると判断されました。

そこで、「上司の宗教の勧誘」に話を戻すと、この勧誘は「会社の秩序を乱す場合にあたる可能性があります。赤の他人であれば断れば済む話ですが上司であれば、無下に断ることもできません。そうなると人間関係も微妙になり仕事にも支障が出てしまうことにもなるでしょう。よって会社はその上司に勧誘を止めるように指示しそれでも強引な勧誘が続くようなら懲戒処分にすることもできます。

ただし、もちろんその内容をしっかりと就業規則に定めて社内にもアナウンスすることが必要です。また、いきなりの懲戒処分ではなくまずは本人と話し合いをすることも大切でしょう。

社員の「私生活の自由無条件で優先されるわけではありません。普段から社員には、その意識を持ってもらうようにしたいですね。

image by: Shutterstock
 
 
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