ソロスは、トランプをどう見ているか?
さて、ソロスは、トランプをどう見ているのでしょうか? ここまで読まれた皆さんには、想像がつくことでしょう。
トランプ氏で市場は低迷へ、政策は失敗すると確信=ソロス氏
ロイター 1/20(金)8:42配信
[19日 ロイター]
著名投資家ジョージ・ソロス氏は19日、ドナルド・トランプ次期米大統領の政策が不透明な点を考えると、世界の金融市場は今後低迷するとの見通しを示した。ソロス氏はブルームバーグに対して「現段階で不確実性の度合いは最高潮に達しており、こうした不確実性は長期的な投資家の敵だ。だから市場が順風満帆な局面を迎えられるとは思わない」と語った。
トランプの政策が不透明なので、金融市場は低迷するそうです。
トランプ氏の政策についてソロス氏は、規制緩和や減税といった市場の希望がかなった半面、国境税や環太平洋連携協定(TPP)脱退などの提案が米国の経済成長にどういった影響を及ぼすのかが不明だと指摘。「トランプ氏が実際にどう動くかを正確に予測するのは無理だ」と言い切った。
(同前)
ソロスによると、トランプの政策のうち
- 規制緩和、減税 = 善
- TPP。脱退、国境税 = 悪
だそうです。
米大統領選では民主党のクリントン候補を応援して多額の選挙資金を提供したソロス氏は「個人的にはトランプ氏は失敗すると確信している。それはわたしのように失敗を望む人がいるからではなく、彼の考えが本質的に自己矛盾をきたし、そうした矛盾が既に周囲のアドバイザーや閣僚候補によって体現されているからだ」と述べた。
(同前)
ソロスが言うに、トランプは「自己矛盾しているので失敗する」そうです。「自己矛盾」が何かは、わかりませんが。ソロスは、「トランプは、自己矛盾している」と考えている。
いずれにしても、トランプが、ソロスや、彼の属する「国際金融資本サークル」に嫌われているのは確かなようです。こうした動きを見て、習近平が、ダボスで「グローバリズム絶対支持!」演説をしたことは、既にお伝えしました。
トランプ大統領誕生で落胆したソロスは、また中国の方になびき始めています。
ソロス氏は、中国が重要な輸出市場である欧州の統合に関心を持っていると指摘。習近平国家主席は中国を社会的にもっと開かれた状態にすることも、もっと閉じられた状態にすることも可能だが、中国自体はより持続的な経済成長モデルに向かうだろうと語った。
(同前)
「おい!ハードランディングの件はどうなってるんだ!」と思うのですが。
世界で起こっていることを簡潔に書くと以下のようになります。ナショナリスト・トランプは、国際金融資本家に嫌われている。そのことを知った習近平は、ナショナリストをやめて、グローバリストになる「フリ」をはじめた。国際金融資本は、悩んでいる。
日本政府はこうした世界の動きを知り、トランプとも国際金融資本ともうまくやっていくべきです。
image by: Antonio Scorza / Shutterstock, Inc.