日本のギャンブル依存症有病率は5.6%。高いのはパチンコのせい?

2017.02.13
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by gyouza(まぐまぐ編集部)
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2016年12月15日、カジノを中心とする統合型リゾート(IR)整備推進法が衆院本会議で可決されました。いわゆる「カジノ法」です。

巷でも可決までには賛否両論ありました。まだ記憶に新しい、という方も多いのではないでしょうか。

反対派の多くは、その理由に「ギャンブル依存症」への対策を懸念点として挙げていました。

このギャンブル依存症とはどういうものなのでしょう?

ご一緒に詳しく見ていきましょう。

ギャンブルはいつから始まった?

ギャンブルは人類の文明とともにあります。ギリシャ神話で賭博の神はヘルメスです。ゼウスの子で翼の生えたサンダルで有名ですね。

ギャンブルは運に支配され、昔は神に支配されることと同義でした。

ヘルメスは旅と交易の神でもあります。昔の人にとって旅による交易も、うまくいけば莫大な富を、失敗すれば無一文にと、まさにギャンブルの一種だったのでしょう。

ハイリスクの快感

「当たるか当たらないかわからないが、いつかは当たる。まれに大当たりする」こんな状況に置かれたら、大当たりを求めて、行為にふけり、お金を投入し続けるのが、心理学で「変動歩合制強化スケジュール」と呼ばれるギャンブル性です。

一定の仕事をすれば確実に報酬がもらえる場合と違って、「出るか出ないかわからない」ハイリスクが、行為をし続け次第にハマっていく誘因となります。

ギャンブル障害

最新のアメリカ精神医学会発行『DSM-5;精神疾患の分類と診断の手引き』では、ギャンブルは物質依存とともに、唯一の非物質関連障害群として、「ギャンブル障害」という名の精神疾患に分類されています。

2014年11月に放送された『NHKクローズアップ現代』では、ギャンブル依存の疑いある人が500万人を超えたこと、脳の機能障害であること、本格的な治療対象として捉えられ始めたこと、深刻化を防ぐには「家族」がキーワードとなることなどが啓発されました。

DSM-5は、持続的かつ反復性の問題賭博行動で、過去12か月間に以下のうち4つ以上あるなら、ギャンブル障害と示しています。
 

1.興奮を得たいため、掛け金の額を増やして賭博をする要求
2.賭博を中断したり中止すると、落ち着かなくなる、いらだつ
3.賭博するのを制限、減らす、または中止するなどの努力を、繰り返し成功しなかった
 
4.しばしば賭博に心を奪われている
5.無気力、罪悪感、不安、抑うつなど苦痛の気分の時に、賭博をすることが多い
6.賭博で金をすった後、別の日に取り戻しに来ることが多い(失った金の深追い)
 
7.賭博へののめりこみを隠すため、うそをつく
8.賭博のために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさらし、または失ったことがある
9.賭博によって引き起こされた絶望的な経済状況を免れるため、他人に金を出してくれるよう頼む

プロのギャンブラーは、みじめな気分の時にギャンブルはやらないし、引き際を知っているそうです。

“勝っていてもいいところで切り上げられる、負けていても「もう1回」とねばったりしない”というのが精神科医、箒木 蓬生 医師のコメントです。

ギャンブル依存症者の特徴

アメリカでの調査では、生涯のある時期にギャンブル問題で悩んだ人は、成人人口の1.6%に上るそうです。

男性はスポーツくじ、ダイス、ブラックジャックなど戦略が必要なものを好み、女性はスロットマシン、ビンゴなど、偶然の要素が多いものを好むとのこと。

性格的には恥と罪の感覚が強く、家族との親密な関係や信頼がなく、人間関係が苦手な人がハマりやすいとの見解もあります。

またアルコール依存症、喫煙、気分障害、不安障害など、心に健康問題のある人がギャンブルにのめりこみやすいとの指摘もあります。

ギャンブル依存症 が多い日本;パチンコの影響?

各国のギャンブル依存症(病的賭博)有病率を比較してみました。
 
・アメリカ 1.4%
・イギリス 0.8%
・スペイン 1.7%
・オーストラリア 2.1%
・マカオ 1.8%
・日本 5.6%
 
日本がダントツの感があります。

これは、手軽なパチンコがあることによるのでしょう。習慣化が容易なだけに、依存傾向の人まで含めると1000万人いるとの見解もあります。

ごく平凡なサラリーマンや主婦がハマっていくことから、本人がギャンブル依存を認めず、家族が苦労している事例も多いようです。

本人だけでなく家族へのケア、あるいは家族もいっしょに問題解決に取り組むことの重要性も指摘されています。

 

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
 

<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長

 

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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