このごろノドが渇きやすい…。これって、何か病気のシグナル?

2017.03.07
by Mocosuku
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最近喉が渇きやすい、いつも喉がカラカラな感じがする、ということはありませんか?

夏場や汗をかいたときなどに喉が渇くのは当然ですが、不自然な喉の渇きは、病気のサインかもしれません。

どのような病気があるのか、みていきましょう。

喉が渇くとは

人間の身体の60%は、水分で作られています。

私たちは、身体の水分量が足りなくなると、「喉が渇く」と感じます。これは、血液の塩分濃度が濃くなるためです。高くなった塩分濃度を薄めようと、水分を欲して、喉の渇きが出てくるのです。

しかし、水分をいくら摂っても喉が渇く、というときは、何かの病気かもしれません。

考えられる病気を挙げてみましょう。

喉の渇き:考えられる疾患とは

病気の症状として喉が渇く場合、どのような疾患があるのかを見ていきましょう。

咽頭炎、副鼻腔炎、風邪、インフルエンザなど、喉周辺の炎症

喉や鼻に炎症が起きると、熱を生じるため、熱を下げるために水分が欲しくなります。熱が高くなるほど、水分を欲します。

糖尿病

糖尿病は、何らかの原因ですい臓から出る「インスリン」というホルモンの分泌量が不足した場合、またはインスリンの効果が発揮できない場合に発症します。

インスリンは、さまざまな臓器が血糖を取り込んでエネルギーに替える手伝いをしています。

ところが、糖尿病の場合は、インスリンが十分に働かないため、血糖が取り込めなくなり、高血糖の状態になります。すると、身体は吸収されなかった糖を尿として排出しようとするため、尿の量が多くなったり(多尿)、トイレに行く回数が増えます(頻尿)。

尿が排出されるときには、当然水分も出ることになるため、身体は脱水の状態になって、喉が渇くのです。

喉の渇き以外に、体重が減ってきた、疲れやすいなどの症状が出た場合は、病院で検査しましょう。また、頻尿、多尿などが起こると、尿中にたんぱく質が多く含まれるので、泡の立った尿が出ます。

腎臓疾患

腎臓は、尿を排泄する器官です。

そのため、腎臓が上手く働かなくなると、尿の濃度を調整する機能が低下します。その結果、尿量が増えて水分が失われ、喉が渇きます。

腎臓疾患は、自覚症状が現れにくいのが特徴ですが、尿に色がついている、朝起きたらまぶたがむくむといった症状が続くときには、受診して相談しましょう。

更年期障害・自律神経失調症

自律神経のバランスが乱れると、喉の渇きを調整する機能にも支障をきたすことがあります。

そのため、自律神経のバランスの乱れによって、喉の渇きを強く感じる人がいます。

バセドウ病

バセドウ病は、「甲状腺ホルモン」が必要以上に分泌されてしまう病気です。首の部分、顎の下あたりに見える「甲状腺」という臓器では、甲状腺ホルモンが作られています。

甲状腺ホルモンは、臓器や細胞の新陳代謝を活発にするホルモンで、身体にとって重要な役割をはたしています。

ところが、甲状腺の機能があまりにも高まってしまい(甲状腺機能亢進)、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうと、さまざまな症状が現れることになります。

バセドウ病になると、喉の渇き、動悸、手の震え、発汗、疲れやすい、食欲増進、体重減少などの症状が現れます。周囲の人からは、眼球突出などでわかることがあります。

喉が渇くときの対処法

一般的な喉の渇きであれば、次のような方法で対処しましょう。

1.水分補給
喉が渇いたとき、水分を飲むことは当然のことですが、一度に大量の水分を摂っても摂り過ぎた水分は排出されてしまいます。

そのため、水分を摂るときは、時間をかけて少しずつ飲みましょう。目安としては、コップ1杯の水を40分~60分ほどかけて飲むくらいの速度です。

また、チョコチョコこまめに摂ることもおすすめします。

2.湿度の調節
部屋の湿度が低いと、乾燥がひどくなって喉が渇きます。加湿器で湿度を上げると、喉が渇きにくくなります。

また、マスクをすると、呼気に水蒸気が含まれて渇きが和らぎます。

3.食生活
塩分を多く摂ることや、利尿作用のある飲み物を飲むことは、喉の渇きにつながります。料理をするときは塩分を控えめにしたり、塩味でないもので味付けするなどして、工夫しましょう。また、利尿作用が高いお酒やコーヒーの摂りすぎにも注意です。

こうした工夫をしても、不自然に喉が渇くようならば、今回ご紹介したような病気の可能性があるため、病院を受診するようにしましょう。

また、喉が渇く以外に何か症状がある場合は、それらの症状も忘れずに医師に告げて相談しましょう。

執筆:南部 洋子(助産師、看護師、タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
 

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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