さて、この女性が65歳になるとどうなるのか。さっきの男性みたいに急激に年金額が増えるのか。
まず老齢厚生年金は113万1,408円。で、65歳になると定額部分という73万9,375円の年金は丸々消滅します。
ですが、定額部分はそのまま老齢基礎年金に移行します。なぜ65歳になると定額部分が消えるかというと、昭和61年4月の年金大改正で定額部分を廃止して、代わりに国民年金(老齢基礎年金)を支給しようってなったから。定額部分は年金支給開始年齢引き上げに伴って、経過的に65歳前から支給してるだけ。
さて、定額部分から老齢基礎年金には移行しますが、両者は計算式が異なる為に経過的加算という年金を支給して金額が65歳前と変わらないようにします。
65歳からの老齢基礎年金は77万3,900円÷463ヶ月×480ヶ月=75万1,700円。
ついでに、参考までに経過的加算という年金を計算しておきます。
※経過的加算→定額単価1,625円×455ヶ月-77万9,300円÷480ヶ月×(昭和36年4月以降の20歳から60歳までの厚生年金や共済組合加入期間455ヶ月)=73万9,375円-73万8,711円=664円。
よって、この女性の65歳からの年金額は老齢厚生年金113万1,408円+経過的加算664円+老齢基礎年金75万1,700円+配偶者加給年金38万9,800円=227万3,572円(月額189,464円)。
というわけで…、65歳時点では、この事例の男性と女性の年金額は完全に一致しました。まあ、65歳になって喜びが大きいのはこの事例の男性といったところでしょうかね…(^^;;
※追記
65歳誕生月になると再度、年金請求書(ハガキタイプの簡単なやつ)が誕生月の初旬頃に送られてきますので、引き続き年金をもらう為には誕生月月末までに提出してください。提出が遅れると年金が一時的に差し止められてしまいます。提出すれば差し止められていた分は遡って支給。
もし65歳以降の年金をしばらく貰わない場合は最大5年据え置きで最大42%年金を増やせる年金の繰り下げというのもあります。
● 不安しかない年金額を、最大42%もあっさり増せる現実的な裏ワザ(まぐまぐニュース参考記事)
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