この男性の国民年金からの老齢基礎年金額→77万9,300円÷432ヶ月×432ヶ月=77万9,300円(昭和36年4月から平成9年3月までの432ヶ月)。
この男性は厚生年金期間しかないのに、なぜ国民年金からも給付されるかというと、くどいようですが昭和36年4月以降の20歳から60歳までの厚生年金期間や共済組合期間は国民年金にも二重で加入してる状態だから。
というわけで、この男性の年金総額は老齢厚生年金150万8,362円+経過的加算17万3,818円+老齢基礎年金77万9,300円=246万1,480円(偶数月に支払われている金額41万0,246円。原則として年金は前2ヶ月分を偶数月の15日に支払う)。
※注意
基礎年金である国民年金(保険料を払う拠出制)は昭和36年4月から開始され、60歳誕生月の前月までの年金加入記録で数えるから432ヶ月。
ちなみに老齢基礎年金の分母はいつもなら480ヶ月(上限値の40年)を使っていますが、この男性の場合は分母が432ヶ月になっているのはこの男性の生年月日(昭和12年度)からだと、国民年金が出来た昭和36年度には既に24歳になる年度。
国民年金は20歳から60歳まで40年納めれば満額とはいえこの男性の場合昭和36年から60歳まで国民年金に加入しても36年が限界だから480ヶ月納めなくても432ヶ月に短縮されている。これを加入可能年数という。
このように国民年金も昭和60年改正の時に15年かけて給付水準を引き下げた(昭和元年度から昭和15年度にかけて)。
昭和16年4月2日以降生まれの人は国民年金が出来た昭和36年4月1日で20歳になるから60歳までの40年間加入する事が出来るが、それ以前生まれの人は40年加入出来ないから今回の事例みたいに40年間の国民年金期間がなくても金額が高くなるように分母が短縮されている。
また、昭和60年改正の時に25年間国民年金を納めた額と40年間国民年金を納めた額を同じにした。当時25年で60万円の国民年金を40年加入で満額60万円の年金にしたって事(期間を長くすれば保険料負担も小さくなる)。
このように昭和60年改正で年金額が大幅に下がりましたが、後代にとてつもない重い負担をさせない為に給付水準を下げたんです。
当時のまま改正しないと厚生年金保険料であればピーク時で38%くらい保険料を徴収しないと年金制度が維持できない状態だったから(今年度の9月で18.3%の上限に固定。18.3%は平成16年改正の時に決めた厚生年金保険料の上限値。この上限値の中で年金額を確保する事になっている)。








