一級国と二級国に分ける差別宣言を採択? 岐路に立つEUの未来
ヨーロッパは、近代以前では封建国家同士が数百年にわたって争いを続けたし、近代国家に生まれ変わってからも二度の大戦を経験している。「三度目の大戦は、絶対に起こさない」という誓いからドイツとフランスなどが数十年かけて建設してきたのがEUだ。このうちイギリスは反EUの考えから今年3月末に離脱した。
3月末のEU首脳会議では統合の深化を目指して「ローマ宣言」が採択された。しかしその過程で、東欧と西欧の経済格差などもあり、「深化」へと向かうには程遠かった。
ただ先月に行われたオランダの総選挙では反EUや移民排斥を訴えた自由党は第一党になれず、ドイツの地方選挙でもメルケル首相率いる与党が圧勝した。EUはナショナリズムとポピュリズムに揺さぶられつつも、何とか理念を守る位置に踏みとどまっているように見える。
(財界 春季特大号 第446回)
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ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。
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