疑惑の新文書がまたも…加計問題「萩生田メモ」を各紙はどう報じたか

 

やはり加計ありきだった…

【毎日】は1面トップに3面の解説記事「クローズアップ」、5面に関連記事と公開された文書の全文に社説一本、27面社会面にも記事。見出しから。

1面

  • 加計ありき鮮明
  • 萩生田氏「総理が期限」
  • 文科省文書 特区決定前発言
  • 萩生田氏は否定

3面

  • 「加計」苦しさ増す政権
  • 首相側近発言の新文書
  • 文科省 記録より記憶
  • 政治に配慮 メモ軽視
  • 官邸ぐるみが疑われる(社説)

5面

  • 野党「加計」で攻勢強める
  • 新文書発覚 臨時国会要求へ

uttiiの眼

1面記事。見つかった新文書の意義付けについて、重要なポイントが示されている。 昨年の10月21日というタイミングについてこんなふうに書いている。

昨年11月に獣医学部新設を認める国家戦略特区での規制緩和策が決定する以前から、政府内で首相の友人が理事長を務める学校法人を学部開設の事業者とする前提で調整が進められていた疑いが強まった。

《朝日》にはこの点の強調があまり観られないが、そのような事実が推測できるケースでは繰り返し指摘しておくべき事柄だろう。《毎日》の記者は問題の構造がよく分かっているものと見える。《毎日》の見出しにある通り、「加計ありきだったかどうかが最重要のポイント

3面記事は、独自の切り口で問題を抉ろうと試みている。

まず、リードは、今回の文書発見が「首相側近の萩生田氏が首相の意向を伝えたと記され、これまでの文書と次元の異なる衝撃的な内容」だとしている。

また、記事では、萩生田氏に面会して詫びたという義家副大臣の言葉を採録していて、「(文科官僚が)一部で萩生田氏の名前を出して事に当たる傾向があったのではないかと肌で感じ、『ご迷惑をおかけした』と申し上げた」と言ったのだという。萩生田氏は萩生田氏で、義家副大臣のコメントにシンクロするように、「私の名前が(文科)省内の調整のために使われているとすれば、極めて遺憾だ」と「潔白をアピールしたという。義家会見と萩生田コメントによって、文科官僚の「悪意」の存在を浮き上がらせようという「印象操作」。これに対して、《毎日》は「教育行政に影響力のある萩生田氏の名を官僚が勝手に持ちだしたという見方をちらつかせたもの」と批判的に評している。

義家副大臣と萩生田副長官のこのやりとり、実に“茶番の臭いがする。萩生田氏は形式的、抽象的に文書の内容を否定しただけで、具体的なことは何も言っていないに等しい。どこが自分の言った部分であり、どこが言っていないことなのか。萩生田氏と高等教育局長とはそもそも何のために会ったのか。何が話されたのか。こうしたことを闡明(せんめい)しなければ、反論に値しない。端的に言えば、話の中に「加計学園」を表す言葉は1つも出なかったなどと言えるのだろうか。その1点を突き詰めるだけで、萩生田氏の否定コメントは瓦解してしまう可能性がある。

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