驕る自民は久しからず。歴史的大敗で安倍総理「一寸先は闇」状態

 

反省迫られる安倍政権の驕り

また、今回の選挙を機に安倍政治の実績も一つ一つ点検されるかもしれない、安倍政治の強味は外交にあり、特にアメリカとの同盟関係の強固さにあるとみられてきた。しかしトランプ新大統領は、既存の常識にとらわれず何を言い出すかわからないところがあり、安倍政権もただ追随していれば安心というわけにはいかない流れに変わりつつある。貿易や安保問題で日本にさらに負担を求めてくる可能性は対韓国、対中国などへの対応をみても大いにあり得ることだ。

また、日本国民の安倍一強体制に対する見方も微妙に変化してくるように思える。来年秋までには本番の衆院選挙もある。安倍首相はその衆院選に勝利して憲法改正首相任期の延長などを目算しているが、果たして思惑通り進むかどうか。政界はだんだん「一寸先は闇」の状況を呈してきた。ただ安倍政権にとっての救いは、結局民進党は受け皿にならないことがまたも明らかになったことだろう。

フランスでは新党の39歳の新人・マクロン候補が大統領に当選し時代の変化を世界に示した。日本でも新党の都民Fが大勝したが、これも時代の変化を示しているのか、それとも安倍一強体制への反発なのか、今後の国政への影響がみものといえよう。

image by: 首相官邸

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ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

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【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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