中国は、30年遅れて日本と同じ道を歩んでいる。次は暗黒の20年

 

日本に必要な、「戦略的忍耐」

オバマさんの北朝鮮政策は、「戦略的忍耐」というのだそうです。要するに「何もしない」ということなのですが。

中国経済は今後、「国家ライフサイクルに従って悪化していきます。すると、習近平は、「新たな正統性確保」に動くかもしれない。それは何でしょうか? 「外敵」です。経済的苦境に立たされた独裁者が、「外敵をつくって国内を引き締める」というのは、「とてもよくあること」。というわけで、中国経済が悪化すると、戦争の危機が高まります

こういう動きを見通して、日本はどうすべきなのでしょうか? いつも言っていることと変わりません。まず、日米同盟をますます強固にしていく。しかし、アメリカは衰退する方向。それで、未来の同盟国インドとの関係をどんどん深めていく。次に、ロシアとの関係をもっと深めることで、結果として「中ロ分裂」をうながす。

日本は、アメリカ、インド、ロシア、東南アジア諸国、オーストラリアなどとの関係を良好に保ち、中国が動くに動けない状態を作っておくことが必要なのです。もちろん、中国を挑発してはいけないし、関係を悪化させない努力も必要です(しかし、アメリカ、インド、ロシア以上に親しくなってはいけない)。これを10年20年続けていけば中国は自壊することでしょう。

オバマさんの「戦略的忍耐」はダメでしたが、日本が必要なのは、まさに「正しい戦略的忍耐」。忘れないでおきましょう。時は、日本の味方です。

 

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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