中国は、30年遅れて日本と同じ道を歩んでいる。次は暗黒の20年

 

成長期から成熟期の移行期は、政治が不安定になる

では、2020年代の中国はどうなるのでしょうか? 2020年代の30年前にあたる1990年代、日本では何が起こったか?

1990年、バブルが崩壊しました。その後、日本では、政治がとても不安定になります。1993年、細川内閣誕生。細川さんは、自民党ではなく、「日本新党」の代表でした。1994年、羽田内閣誕生。波田さんも、自民党ではなく、「新生党」の党首でした。同年誕生した村山内閣。村山さんは、なんと「社会党」の委員長でした。

というわけで、「バブル崩壊」は、自民党の「事実上の一党独裁体制」を壊しました。しかし、日本は「民主国家」。政権交代は、選挙によって実現し、混乱はなかった。

中国は??? この国には、選挙がないのです。中国共産党は、「選挙によって国民に選ばれた」わけではありません。毛沢東が国民党との戦いに勝利し、中華人民共和国を建国した。まず、そういう「正統性」があった。その次は、「共産党の一党独裁のおかげで、中国は世界一の経済成長を成し遂げた」という「正統性」ができた。

しかし、その「正統性は失われつつあります。「ライフサイクル」によって、もはや「二ケタ成長」などありえない。年々減速し、下手すると日本のような危機に突入する。そうなると、中国共産党、一党独裁の「正統性」は何もなくなってしまいます。というわけで、2020年以降中国の政治は不安定になっていくことでしょう。

一党独裁は崩壊し、劉さんの夢は実現するのでしょうか? 私は、そう思います。世界には、「いろいろな政治体制がある」といわれます。しかし、ざっくりいうと、三つしかありません。一つは、民主主義。二つ目は、独裁国家(いろいろ形態はあるが)。三つ目は、民主主義と独裁の間。中国共産党が正統性を失えば、「改革の方向」は「民主化」しかありません。

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