ビジネスパーソンである私たちが、ウサギとカメのたとえから学ぶべきことは、「強い人と同じ競争の土俵に乗ってはならない」ということです。たとえば、カメは潜水で勝負すれば完勝でしょう。それは無理でも、なんとか水の中の勝負にもちこむべきです。
ビジネスは、かけっこのような単純な勝負ではありません。様々な要素が複雑に絡み合い、多数の人材の、多くのスキルを必要とします。自分の戦えるステージは必ずあるはずです。
たとえば、ライバルと目する優秀な同僚がいて、どうしても負けたくない場合を考えてみましょう。その同僚の優秀さとは、計算能力・処理能力の高さかもしれませんし、語学が堪能なことかもしれません。その相手の得意分野で勝負するのは避けたほうが良いでしょう。それ以外のことで、一点突破で優位に立てる分野を考えるべきです。
たとえばあなたに協調性があり、人とすぐに仲良くなれるのであれば、なるべく多く、知り合いを作ることに注力すれば、あとあとその人脈が力を発揮するかもしれません。どんなにオールマイティに近い能力を持つ人でも、時間が限られているので、すべてのことはできません。
自分で伸ばす分野が決まったら、それこそカメのようにコツコツ継続し、向上を目指すのみ。そうすれば、ライバルが「昼寝」をしなくても、あなたが浮上する瞬間が必ずあるはずです。
「いまさら、自分を変えようとしてはならない。うまくいくわけがない。自分の得意とする仕事のやり方を向上させることに、力を入れるべきである」(P.ドラッカー)
今回は、ここまでです。
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