動画編集の仕事は需要が伸びている一方で、ネット上では「動画編集スクールは無駄」「やめとけ」といった否定的な声も耳にします。
初心者にとって高額な受講料に見合う価値があるのか、独学でも十分ではないかと不安になるのは当然でしょう。
この記事では、動画編集スクールが「無駄」「やめとけ」と言われる理由を具体的に解説し、逆にスクールに通うことが無駄にならない人の特徴についても紹介します。
動画編集スクールへの受講を検討している方はぜひ参考にして、自分にとってスクールが無駄にならないか判断してみてください。
動画編集スクールは無駄なのか

動画編集スクールが無駄に終わるかどうかは、あなたの目的や目標次第です。
例えば、YouTube動画の編集やテロップ入れなど、小口案件を副業でこなせるようになりたい人にとっては、スクールで学んだ基礎スキルが収入に繋がる可能性があります。事実、こういった副業で月5〜10万円程度を稼ぐ人は一定数おり、比較的に実現可能な話です。
一方、将来的に大手企業のCM制作や映画並みのVFXを駆使する映像の仕事に就きたいと考えている場合、時間と費用が無駄になる可能性が高くなります。多くのスクールは、初心者向けに基本操作や簡単な編集技術の習得に重点を置いているため、プロ現場の要求レベルには程遠いのが現実です。
このように動画編集スクールに通うべきかどうかは、自身の最終的な目的・目標に照らして見極める必要があります。副業で小さく稼ぎたいのであればスクールでの学習が活きるでしょうし、映画やハイクオリティな映像制作に関わりたいのであれば、本格的な専門学校の方が向いているでしょう。
動画編集スクールが「無駄」「やめとけ」と言われる理由

動画編集スクールに対して否定的な意見が出るのには、いくつか理由があります。具体的には、次のとおりです。
- 初心者向けのカリキュラムが中心だから
- 業界ではマルチスキルが当たり前になっているから
- 人によって費用対効果が悪いから
- スクールによって実績作りの案件を貰えないから
- 創造力は習得できないから
初心者向けのカリキュラムが中心だから
動画編集スクールでは初心者向けの講座が中心ですが、これらは独学でも学べる内容も多く「行かなくてもよかった」と感じる人が多くいます。
動画編集ソフトの基本操作の習得だけであれば、Adobe公式のチュートリアルをはじめ、各種ツールのHowTo動画はYouTube上に大量かつ無料で公開されています。
ゆえにスクールで数十万円を支払って学ぶ内容が、カット編集やテロップ入れ、BGM挿入といった基礎的な技術取得のみに留まる場合、受講者は卒業後に「高いお金を払ったのに、仕事で使えるレベルに達していない」という不満に繋がります。
事実、映像制作現場で要求されるレベルには程遠く、卒業しても即戦力として企業から評価してもらえない問題があります。仮に「未経験可」の求人だとしても、実際にはAdobe系ソフト全般のスキルが求められていたり、ポートフォリオの提出が前提となっていることが大半なのが現実です。
業界ではマルチスキルが当たり前になっているから
映像制作の現場では、一人のクリエイターが複数のスキルを持つのが当たり前になりつつあります。
PhotoshopやIllustratorによる画像加工・デザイン素材の作成、After EffectsによるモーショングラフィックスやVFX、場合によってはBlender等の3DCGソフトや音声編集ソフトまで、案件に応じて求められるスキルは多岐にわたります。
言い換えれば、「動画編集ソフトが使えるだけ」の一本槍クリエイターでは活躍の場が限られるのが現状です。そのためスクールで特定のツールだけ習得しても、活躍の場はYouTube動画の簡易編集や切り抜きといった、低単価の小口案件が主体になってしまうという厳しい現実があります。
また昨今は生成AIの台頭もあり「カット編集はできるけどデザインはできない」など、単純作業しかできない場合はAIに取って代わられる可能性すらあります。こういった背景を含め、「特定のスキルしか身につかないスクールは無駄」と言われる所以になっています。
人によって費用対効果が悪いから
動画編集スクールの受講料は決して安くなく、目的次第では費用対効果が悪く感じられます。
一般的な動画編集スクールの受講料金は、オンライン形式で約10〜40万円、対面形式では30〜80万円以上と高額です。ゆえに前述のとおり、基本操作に寄った内容であれば「支払った額に見合うリターンが得られていない」と疑問が残ってしまいます。
また、スクール受講には受講料以外にも初期投資が必要になります。高解像度の動画やエフェクト処理を快適に行えるスペックを備えたパソコン、十分な通信環境、そして動画編集ソフトの購入またはサブスクリプション契約など、学習を始めるまでに揃えるべきものが多くあります。
このように費用対効果を考えると、独学でやれる自信のある人は、3DCGアニメーション等も扱える高性能PCやソフトウェアの購入費に充てた方が、作業環境が向上してよりハイレベルなクリエティブ経験を得られるようになる場合があります。
スクールによって実績作りの案件を貰えないから
映像制作業界でキャリアを築くには、何より実績を積むことが重要です。
しかしスクールによっては、在学中に実案件を経験する機会が得られない場合があります。特に母体が映像制作会社ではない場合、企業からの動画制作案件を学生に紹介するといった仕組みがなく、卒業しても「ポートフォリオに載せられる実績が何も無い」という事態に繋がることもよくあります。
また、クラスメイトも自分と同じ初心者が中心であるため、横の繋がりによる案件獲得にも期待できません。クリエイター業界への就職・転職は、自分が手掛けた作品や実績こそが最大の武器になるため、スクール上がりで実績ゼロの状態では、どうしてもハードルが高くなるのが現実です。
そのため、考え方を変えれば独学でスキルを伸ばしながら、小口案件で実績を増やしたり、自主制作でポートフォリオを充実させていく方が、結果的に業界への転職・デビューの近道になる場合もあります。
創造力は習得できないから
動画編集スクールでは主にツールの使い方や技術を教えてくれますが、作品のクオリティを左右する「創造力」そのものは講義で教わったからといって身に付くものではありません。
クリエイティブな能力は、その人がこれまでに培ってきた経験やインプット(触れてきた映像作品や音楽、美術など)の蓄積によって養われる側面があります。ゆえに、スクールで数ヶ月学んだからといって、急にアイデアマンになれるわけではないのです。
実際の映像制作の現場では、テクニカルな編集スキルだけでなく、クライアントの意図を汲む構成力や企画力、視聴率維持のための演出力、多方面の人と連携するコミュニケーション能力が重要で、これらの複合スキルである「創造力」は実践を積みながら少しずつ学んでいく必要があります。
そのため、動画編集スクールの「未経験から最短でプロへ」といった謳い文句に過度な期待をすると、「自分にはセンスが無いんだな…」と間違った解釈をし、無駄に感じてしまう恐れがあります。
動画編集スクールが無駄にならない人

ここまで動画編集スクールのデメリット面を見てきましたが、人によっては大いに役立つ学習手段になる場合もあります。具体的には、次のとおりです。
- 副業・フリーランスを目指したい人
- 主体的に学べる人
- 短期集中でツールスキルを身に付けたい人
副業・フリーランスを目指したい人
動画編集スキルを活かし、副業やフリーランスとして働きたいという明確な目標がある人は、スクールの価値を感じやすいでしょう。
特に、副業として「3ヶ月後までにYouTube動画の編集案件を毎月5本受注したい」といった具体的なゴールを持っている人は、スクールで学ぶ内容がそのまま目標達成に有効活用できます。
「ゆくゆくはフリーランスとして独立したい」という野望がある人なら、スクールは短期間で稼ぐための下地を作る場として有意義でしょう。
スクールによっては、営業ノウハウや案件獲得のサポートを行っているところもあり、独学よりも効率よく副業やフリーランスとしてスタートを切れる可能性があります。
主体的に学べる人
動画編集スクールで伸びる人の特徴として、主体的に学習に取り組めることが挙げられます。
スクールは環境や教材を提供してくれますが、最終的にスキルを身につけるのは自分自身の手による部分が大きいのが実情です。講義内容の復習はもちろん、映像作品を自主的に作ってみる、わからないことは積極的に講師に質問する、といった能動的な姿勢で臨める人はスクールの恩恵を最大限受けられます。
逆に「お金を払ったのだから教えてもらって当たり前」という受け身の態度では、高額な受講料に見合う成果は得られないでしょう。スクールはあくまでその学習をサポートする場であり、誰でも必ずプロクリエイターに昇華させる魔法の場ではありません。
したがって、自ら進んで課題に取り組み、講師のフィードバックを貪欲に吸収し、独自に成長できる人であれば、スクールに通う価値は十分にあるでしょう。主体的に学べる人ほど短期間で大きく伸び、「スクールに行って良かった」と実感できるはずです。
短期集中でツールスキルを身に付けたい人
短期間で集中的に動画編集スキルを習得したい人にとっても、スクールは最適な選択肢となります。
例えば、自身の市場価値を高めるために動画編集スキルを追加したいと考えている方、リスキリング目的で動画編集を学びたい方、育児の合間に短時間でスキルを身に付けたい主婦の方など、限られた時間で一定の結果を出したい人にとって、スクールは効率的な学びの場になります。
このように目的意識がハッキリしていて「○ヶ月で○○の操作をマスターしたい」というニーズを持つ人なら、スクールのカリキュラムはピッタリ合致するでしょう。スクールにもよりますが、3〜6ヶ月程度で一通りのスキルを習得できる場合もあります。
まとめ

「動画編集スクールは無駄かどうか」は一概に断言できるものではなく、その人の目指す方向性や学習スタイルによって評価が分かれるというのが結論です。
スクールで学ぶまでもなく自力で成長できる人にとっては無駄になる可能性がありますし、明確な目標を持って効率重視で学びたい人には無駄にならない場合もあります。
この記事で解説したように、スクールに通うメリット・デメリットや「無駄」「やめとけ」と言われる理由を踏まえ、自分の状況に照らして検討してみてください。
大切なのは「スクールに行けば稼げる」という安易な幻想を捨て、自分の努力で価値を最大化できるかどうかを考えることです。動画編集スクールとの相性を見極め、賢く活用し、あなたのキャリアに変化を生む、大きなキッカケになれば幸いです。









