自分が一番働いている
人は誰でも、周囲から認めてもらいたいという気持ちをもっています。心理学用語でいうところの「承認欲求」というものです。その証拠に、世の中ではSNSが猛威をふるっています。
Facebook、ツイッター、インスタグラム、YouTubeなどがこれほど盛んになっているのはなぜでしょう。それは、周囲に自分のことを認めてもらいたいからです。そのためには、過激な投稿をくりかえして、周りの気をひこうとする人だっています。ほめてもらいたいのでも、叱ってもらいたいのでもありません。自分の存在を認めてもらいたいだけなのです。実は、ここに人を育てる大きなヒントがあります。
例えば、あなたのお店にはこんなことを言う社員はいないでしょうか。
「どうして私だけが毎日こんなに忙しい思いをしなくちゃいけないの?」
「どうして私にばかり仕事が回ってくるの?」
また、賞与をもらったときや、人事が発表されたときに
「私の方が会社に貢献しているのに…」
「どうしてあの人の評価が高いのかわからない」
と、陰でグチったりする人がいます。どうしてそんな気持ちになるのでしょう。それは、多くの社員が「自分が一番働いている」と思っているからです。そして、そのことを「認めてくれない」という不満があるからです。
ということは、その社員を認めてあげれば、少なくとも不満は解消するのではないでしょうか。そして、それがきっかけで、やる気をもって仕事をしてくれることにもつながります。そうすれば、その社員は自然と育っていくのではないでしょうか。
だとすれば、社員を認めてあげることです。いえ、給与を上げたり、昇進をさせるということではありません。